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2019.06.02

「食品ロス削減推進法」成立で期待高まるフードシェア、その実力は?

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フードロスは環境問題にも重大な影響を及ぼしている。

食品産業では、生産、保管、処理、流通、消費、廃棄という全ての過程でエネルギーを消費する。世界中のフードロスによって生み出されるCO2排出量は年間33億トンに及ぶ。

ちなみに、世界各国のCO2排出量ランキング1位は中国の約90億トン、2位はアメリカで約48億トン、3位はインドで約21億トンだ。このデータと比較しても、フードロスが排出しているCO2の量は侮れない。しかしこの事実は、「フードロスの減少」は「地球温暖化の防止」に繋がることも同時に示す。そして、フードシェアリングは実際にその効果を実証している。

都内を中心に各地に店舗を展開している「BOUL’ANGE(ブール アンジュ)」というブーランジェリーは、TABETEのサービスを都内2店舗で導入した。2018年11月から2019年5月の間に、累計約2万個の廃棄予定だったパンをTABETEによって販売した。これは約5400kgものCO2削減の達成を意味する。

またTABETEでは、サービス上の廃棄予定の食べ物の販売および購入を「レスキュー」と呼んでいる。このユニークな呼び方は、事業者や消費者に対してフードロス問題に対する「危機感」と、廃棄予定の食品を救うことができた「達成感」を呼び起こすことができるのではないだろうか。

このサービスの欠点は、サービスに参加する事業者が少ないと普及が難しいということだ。この度の法案の制定でフードシェアリングに注目が集まり、参加する店舗やユーザーが増加することを期待したい。

文=田山礼真

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