ビジネス

2019.05.31

アバクロが福岡など3旗艦店を閉鎖へ 環境の変化に対応

Photographer: David Paul Morris/Bloomberg via Getty Images


ホロウィッツCEOは同日の決算発表で「顧客は私たちが提供する新しいものに反応してくれている。私たちの販促活動は、顧客の共感を呼んでいる」と述べ、同社の「プレイブックはうまく機能している」との見方を示した。

A&F全体では、既存店売上高は7四半期連続で増加。売上高の約60%を占めるホリスターは、10四半期連続で売り上げを伸ばしている。アバクロンビー&フィッチの売上高も、2018年度第4四半期(今年2月2日まで)には減少したものの、次の四半期にはプラスに転じた。

それでも、小売業界はその全体に悪影響が及ぶ可能性がある幾つかの不確実要素に直面している。A&Fが株式市場を落胆させた理由は、2019年度第2四半期の売上高の見通しだけではない。同社の粗利益が減少すると予想されていることも要因だ。

粗利益が減る大きな原因の一つが、同社の店舗の大半が入居するショッピングモールの客足が5月に入って減少していることだ。同社は販促を目的に、値引きを行うことになると考えられる。CFOは、「在庫がかさみ始めれば、その環境に合わせて競争していくことになるだろう」と述べている。

また、ドル高が外国人旅行者の支出を抑制していることや、国外での売上高を目減りさせていることも関係している。ホロウィッツによれば、既存店売上高は米国では4%増加したものの、その他の国・地域では同じ割合で減少している。英国ではブレグジット(欧州連合からの離脱)問題、欧州とアジア各国ではそれぞれのマクロ経済的な懸念が影響した。

一方、米中の貿易戦争がもたらす不確実性に対応するため、同社は調達における中国への依存度を「積極的に引き下げて」いるという。昨年は25%だったが、すでに20%以下となっている。さらに、同社はベトナムで先ごろ、ベンダーを集めたカンファレンスを開催したばかりだ。

編集=木内涼子

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