ビジネス

2019.06.04

福島高校生の「ふっこうみどり鰻重3739円」 実現を支えた「SBP」とは?

SBPを支える5人。左から順に西山恵太、田口義隆、漆紫穂子、堀久美子、田辺建二。


地方創生のタネをまく

学生のアイデアは宝の山だ。SBPの理念に賛同し、協働するリーダーの一人CURIOSCHOOLの西山恵太が小学校で「より良い給食」をテーマにワークショップを行った時のことだ。


CURIOSCHOOL 西山恵太氏

「その日のメニューが中華丼だったのですが、箸ではうずらの卵が取りづらいと感じた女の子から出たアイデアはなんと『卵を四角にしたらいい』というもの。普通はスプーンで食べようとか箸に滑り止めをつけよう、となるところですが、子ども達には固定観念がない。頭をガーンとハンマーで叩かれたような衝撃がありましたよ。これほどまでに自由な発想は大人からは出てこないし、そのような発想を周りの人が抑え込むのではなく、伸ばすような社会をつくっていきたい」

学生は、大人が無意識に築いてしまう「世の中ってこんなもの」という壁を軽々しく越える。

SBIPはただの「アイデア発表イベント」ではない。「学生と企業が互いに自身を売り込む」プラットフォームなのだ。

プレゼンテーションで発表しきれなかった内容をポスターにしてイベントの休憩時間に伝える学生。自分でチラシや名刺を作って企業に配ったりする生徒。どちらも増加傾向にあり、SBIPに参加したことによる能動性の高まりが実感できる。

発表することだけがゴールではなく、学生たちには多様な目標設定があるようで「ある人に会いたい、紹介して欲しい」との依頼に、企業のキーパーソンと引き合わせることもあるという。

SBPの理念に共感しボランティアとして運営協力する田辺建二、堀久美子も、「大都市圏に比べ地方にはリソースや教育機関が少なく、高校卒業後には、地元を離れざるを得ない若者が多い。中高生の間に自身の地域社会に向き合う機会を持つことは、日本の未来に関わること。SBPが中高生のソーシャル・ビジネスを支援する理由もそこにあります」と話す。

2020年2月にも学生によるプレゼン大会SBIPが開催される。社会をガラリと変える、そんな可能性に満ちたアイデアの出現を期待せずにはいられない。また、Forbes JAPANではSBPとコラボレーションして中高生によるソーシャルビジネスの考案を応援すべく、Forbes JAPAN SOCIAL AWARDと題したビジネスコンテストを開催する。

Forbes JAPAN SOCIAL AWARDのスケジュール

6月1日(土) WEBサイトからのエントリー開始
8月9日(金) 中間発表提出締切8月中 中間発表の審査を踏まえファイナリストチームを選抜
9〜10月 ファイナリストチームに対してメンタリングサポート
10月11日(金) 最終発表提出締切
11月28日(木) Forbes JAPAN CEO conference 2019にて大賞受賞チームを表彰(該当作があった場合のみ)

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SBPとは?>>

写真=岩沢 蘭

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