世界で最も価値あるサッカーチームの頭上からは、相変わらず「金の雨」が降り注いでいる。試合に魅了される信じられないほどの数のファンたちが、スタジアムに、そしてテレビの前に集まるからだ。
何十億という人たちの心の中にその姿が深く刻みつけられている選手たちは、世界に通じる広告塔だ。それを知っているスポンサーたちは、自らをそうした選手やチームと関連付けるために、ますます多額の契約料を支払っている。
試合の放映権料も高騰している。米ターナーとユニビジョンは2017年、2018-2019シーズンから3年間のUEFAチャンピオンズリーグの米国での放映権を年間およそ1億ドル(約109億円)で取得。これは、それまで放映権を持っていたフォックスが支払っていた金額の2倍に近い。
また、2018-2019シーズンのチャンピオンズリーグの賞金は、前年比30%増で過去最高の22億8000万ドルとなっている。決勝戦に進んだリバプールとトッテナム・ホットスパーは、1億400万ドル~1億1700万ドルを受け取ることになる。
各国の国内リーグの試合にテレビ局が支払う放映権料、アマゾンやフェイスブックが参入したストリーミング放送の契約料も上昇している。そして、スタジアムの命名権は今後、各チームにさらなる高収入をもたらす可能性がある。サッカー選手や監督たちの収入が増えるのは、こうしたことが理由だ。
ランキング
世界の最も価値あるサッカーチームの20位までに入った各チームの価値は、昨年から3.4%上昇した。金額は平均17億5000万ドルとなっている。2017-2018シーズン中の収入と営業利益(利払い前・税引き前・減価償却前利益)の平均は、それぞれ4億9900万ドル、7700万ドルだった。
3年ぶりに世界で最も価値あるサッカーチームとなったレアル・マドリードの価値は、約42億4000万ドル(約4650億円)だった。2~5位は、次のとおりだ。
2. バルセロナ(スペイン):40億ドル
3. マンチェスター・ユナイテッド(イングランド):38億ドル
4. バイエルン・ミュンヘン(ドイツ):約30億ドル
5. マンチェスター・シティー(イングランド):26億9000万ドル
なお、サッカーチームとしては最も価値あるレアルも、その他のスポーツを含めたランキングでは、世界3位だ。全てのスポーツで見た場合の上位5チームは、以下のとおりとなっている。
1. ダラス・カウボーイズ(米国、アメフト):50億ドル
2. ニューヨーク・ヤンキース(米国、野球):46億ドル
3. レアル・マドリード
4. バルセロナ
4. ニューヨーク・ニックス(米国、バスケットボール):40億ドル
世界で最も価値あるサッカーチームのランキングは、2017‐18シーズンの各チームの収入と営業利益に基づき作成した。金額はシーズン中の平均為替レートで米ドルに換算している。
また、チーム価値はユーロで算出した企業価値(資産と純有利子負債の合計)であり、今年4月19日の為替レートに基づき米ドルに換算した。営業利益は利払い前・税引き前・減価償却前利益で、選手の移籍に関連する費用は考慮していない。有利子負債には、スタジアム関連の負債を含む。
データは主に、デロイトが発表する「デロイト・フットボール・マネー・リーグ」と、サッカーとビジネスを専門に扱うブログ「ザ・スイス・ランブル」から入手している。