マララの父が語る、自信に満ちた勇敢なリーダーの育て方

Photo by Tolga Akmen/Anadolu Agency/Getty Images


どうすれば自信のある女の子や男の子を育てられるのか? ジアウディンは、褒めることが大切だと考えている。「私はマララが自分は世界一賢い人だと感じられるよう努めた」。良い成績を収めたことを褒める、学校の課題に一生懸命取り組んだことを褒める、考えを上手く表現できたことを褒める。マララは成長するにつれ、語り手としての自信もついた。男の子ばかりの場所でマララが話すと、大人の男性らは「女の子は別の場所にいるべきだ!」と言った。その言葉は人々の心深くまで届いたため、マララは無視できない存在となった。

「もし親が子どもに、人生ではどんなことでも可能だと考える余地を与えなければ、子どもが自分の力を信じるのは難しくなる」とジアウディン。マララの名は、自らの信条のために戦い命を落としたパシュトゥーン人女性戦士「マイワンドのマラライ」にちなんで付けられた。もちろん、ジアウディンはマララが暴力に直面することを望んでいたわけではない。マラライから名前をとったのは、自分たちの文化で初めて自らのアイデンティティーを切り開いた女性だったからだ。

マララが育った社会では、10代の女の子は学校へ行かず、結婚の準備をするものとされていた。ジアウディンはこの習慣を打ち砕こうと決意していた。「私はマララについて、全てを信じていた。マララをないがしろにし、既存の偏見で縛るのではなく、『マララは世界を変える。なんでもできる。マララは素晴らしいことを成し遂げるためにいる』と考えていた」

ジアウディンとマララは現在、「マララ基金」の共同理事長として、教育の機会を奪われた1億3000万人以上の少女の声となる活動に取り組んでいる。

人々の心や考えを変える活動の裏には、その口火を切った語り手がいる。もし自分の子を勇敢に育てたければ、早いうちから人前で話すよう、背中を押そう。そうすれば、その子は自信を持って成長し、不可能を可能にするようになるだろう。

編集=遠藤宗生

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