拝啓、次世代の起業家へ。


缶コーヒー1本の価格が120円というのは、日本国内では共通認識である。

しかしシード期の起業家は初めて資金調達するケースが多い。だからバリュエーション相場を知らないまま調達することになり、投資家の言い値となってしまいがちなのだ。

では、投資家はどのようにシード期のバリュエーションを決定するのだろうか。端的にいうと、創業者の人格である。フェイスブックの初期から投資をしていたピーター・ティールも「我々は人に投資する」と助言している。

今回、記事を制作するにあたってU25の若手起業家30名から資金調達時のヒアリングを行った。統計によると、学生起業家のシード期の企業価値は約1億円であり、大学を卒業し、社会人経験のある起業家であってもその額は大きく変わらなかった。学生であるか否かは、さほど関係ない印象だ。

また、プロダクトである状態の資金調達は約1〜1.5億円となり、既に収益見込みが立っている場合2〜3億円のバリュエーションで調達するケースもあった。

アンケート結果から見えてくるものがある。プロダクトがない状態であれば1億円前後、プロダクトがある状態であれば1.5億円以上の強気の交渉ができるのだ。また驚くべき点はアイディアがない状態でも資金調達を実施している者が存在したことだ。

バリュエーションは、景気によって大きく変動する。今回の推察はあくまで2019年5月時点での見解であり東京都内で資金調達を実施した者に限定していることを付記しておく。



最後に

資金調達が容易となったこの時代だからこそ、未来の起業家に問いかけたい。本当に資金調達する意義があるのか、エグジットして株主に恩義を返す覚悟はあるのかと。米国では資金調達を「悪魔の契約」と呼ぶ。資金調達することで、自分(自社)の体内に他人(株主)の血(株)が流れ、手足(経営判断)の自由が利かなくからだ。

エグジットするためにあらゆる局面に立ち向かい、株主に対して恩義と大義を貫けるか否かが、現在の起業家に求められている素質ではないだろうか。

文=戸村光

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