ビジネス

2019.06.13

拝啓、次世代の起業家へ。今さら聞けない資金調達の基礎知識

Gettyimages


投資する側の主なメリットとしては2つある。キャピタルゲインと情報収集だ。

キャピタルゲイン:投資家からの資金調達を実施した企業はエグジット(上場もしくは売却)することが求められる。投資家にとって低いバリュエーションで投資し、高いバリュエーションで売り抜くことが投資の基礎である。

情報収集:イノベーションの中心にはいつの時代もスタートアップが存在する。スタートアップへ投資することで、市場動向を追いかけることができる。事業会社がファンドに有限責任組合員(LP)出資をする理由はそこにある。



【追記 2019/06/16 11:55】上記グラフはプレスリリースで公開されている投資件数および弊社サービスで収集した投資家の評価件数をもとに抽出したものである。

#2 誰からお金をもらうか

資金調達を実施する上で最も重要なのが、どこからお金を調達するかである。

前述の通り、資金調達をするということはエグジットして、スタートアップと言う名のトンネルから抜け出さなくてはいけない。また、エグジットするまでは資金調達したスタートアップは加速度的に成長しなければならず、成長速度を緩めることは許されない。

話をタイトルに戻すと、誰からお金をもらうと正解か。それはまさに、より自分の会社を成長させてくれ、より高い金額でエグジットするためにサポートしてくれる投資家である。

極めてシンプルにいうと、サッカーボールを売る会社なら、サッカー領域で熱狂的なファンが多い本田圭佑氏。アイドルに関連したサービスを提供するなら、その領域に幅広いネットワークをお持ちの秋元康氏に応援されたら会社として成長しやすい。

また投資家間で不仲なケースもあるので、投資家Aから調達することで、投資家Bから調達しにくくなる点を忘れてはいけない。逆もしかりで、投資家Aが入っているから一緒に共同投資したいという投資家も存在する。

一例を挙げると、我が社には日本のほとんどのベンチャーキャピタル(VC)にLPとして投資をしているエンジェル投資家Xから出資を受けている。これはすなわち、日本にいるVCの多くが、LPであるエンジェル投資家Xの投資先(我が社)を応援することで、LPへの恩返しにつながる。そして、次のラウンドで調達のサポートが受けやすくなる。


次ページ > 誰からお金をもらってはいけないのか

文=戸村光

ForbesBrandVoice

人気記事