例えば職人さんの多くは、作業がルーティンになることが多いです。しかし、彼らは常に同じ作業でも、自分が退屈になる前に自ら課題を高く積んで、難易度を上げたりするのです。料理人なら「常連さんも毎回ちょっと驚く味付けにしよう」とか、鍛冶職人なら「お客さんには違いがわからなくても、俺にとっては病みつきなくらい滑らかにしてやる」とか、そういった感じです。
これができる人は、資料を作る時でも「質問がくるようにあえてこんな感じで書いておこう」とか、ホッチキスを止める作業一つでも、「ガンガンに揃えてやろう」などと、ちょっとした工夫を自分で楽しむ力を持っています。
没頭している人は、人を惹きつける
初めは何気ない作業でも、普段から退屈しないよう自分で課題を設計していけるようになると、たとえ上司に言われた仕事をただやるとしても、自分で課題を設計して夢中になれます。結果、どんな作業も没頭体験に変えることができます。職人のように、ひたすらゾーンに入っている状態を作れるようになるのです。
そして、没頭体験を何度も繰り返せるようになると、人はどんどん成長していくし、同時にそれもまた快感になっていきます。何より、何かに夢中になっている人は、人を惹きつけます。ジョブクラフティングができる人は、誰にも追いつけないスピードで変化していくことができるのだと思います。
連載 : 働き方革命最前線 ─ポストAI時代のワークスタイル
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