久保:白川さんには19年1月の資金調達時に追加出資してもらいました。リード投資家が未確定のタイミングで、「投資してくれませんか」と相談したんです。「いいですよ」「ちょっと待ってください」という返答かと思ったら「機会をいただいてありがとうございます」と言われました。それは僕の中では、白川さんらしいし、かつ、僕も救われて、この人が投資家でよかったと思いました。
無人コンビニの「半径50m商圏」は、1分以内で好きなもの、必要なものをなんでも買える世界。人の日常生活が大きく変わります。そのためには、商品の最適化が必要。我々の強みであるコンシェルジュサービスは、「愛」が重要です。週2回行う商品の供給は社員が手がけています。
将来的には機械学習も含まれますが、まず設置している1カ所1カ所で、どういう人が何を求めていて、どの時間帯に購入しているのか、について愛を持って興味を抱いて最適化することが鍵になります。今後、無人コンビニ市場は20年間で10兆円市場に育つと思っており、その中で短期的には19年に設置契約数500台、中期的に24年に1万台を目標にしています。
白川:僕らが生まれた時にコンビニが当たり前であったように、僕らの子どもが大きくなっていくと、マンションや学校、オフィスに600がある世界が実現している。そんな可能性を秘めている事業にご一緒できているのはとても楽しいですね。
しらかわ・ともき◎アプリコット・ベンチャーズ代表取締役/ジェネラル・パートナー。1985年生まれ。2008年、慶應義塾大学経済学部卒業後、サイバーエージェント入社。13年よりサイバーエージェント・ベンチャーズ(現サイバーエージェント・キャピタル)に参画。18年1月より同社を設立し、10億規模の1号ファンドを組成。主な投資先は、600、DINETTE、favy。
くぼ・けい◎600代表取締役。1985年生まれ。高校卒業後、米国Carleton Collegeに進学し、政治科学とコンピュータ科学のダブルメジャーで卒業。2008年IPA未踏事業に採択。10年3月にサンフランシスコでfluxflex(フラックスフレックス)を創業。13年5月、WebPay(ウェブペイ)を創業し、15年2月にLINE傘下となる。17年6月、600(ろっぴゃく)を創業。