AI通信「こんなとこにも人工知能」

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北東アジア各国で、人工知能(AI)の研究・開発・商用化のための拠点づくりの動きが活発している。

「次世代人工知能発展年次報告書2018」(新一代人工智能发展年度报告)によれば、人工知能の開発で勢いを見せる中国では、2018年末までに20以上の省がAI関連の特別指導意見および支援政策を発表したという。報告書は、2019年は人工知能関連のアプリケーションが増加する「黄金爆発期」になると指摘しており、なかでも北京、広東、長江デルタ(上海市、江蘇省南部・浙江省北部を含む長江河口の三角洲を中心とした地域)の3大クラスターが業界を牽引する重要地域になるとした。

調査結果によれば、同3大クラスターには中国のAI企業総数の約86%が拠点を構えている。北京が最も多く全体の40%を占めており、上海が約20%、広東が約16%でそれぞれ2〜3位となっている。加えて、四川省、陝西省、湖北省、安徽省などの地域においても、AI産業が活気を帯び始めているという。

なお中国政府が、江蘇、浙江、安徽の3省および上海などを含む長江デルタの未来を重要視しているという背景から、今後、同地域は人工知能分野において世界的な産業エリアとして発展してく可能性がある。中国全体のAI投資件数のうち、同3大クラスターおよび同地域に対するものが90.76%を占めているが、そのうち北京が42.6%、長江デルタは29.5%に達しているという情報も併せて報告されている。

中国政府・企業のAI開発への熱意は、今後も高まり続けることが予想される。5月17日、習近平主席は、北京で開催された「国際人工知能教育大会」に祝辞を送っているが、そのなかで「AIは新しい科学技術革命と産業改革の重要な動力」としつつ「AIの発展および発展の方向を提示する高級人材を養成することが教育界の重要な使命」と改めて強調している。

一方、韓国では名門大学であるKAIST、高麗大、成均館大が共同で、「AI大学院」の説明会を開催した。説明会の内容によれば、韓国理系の最高峰であるKAISTは、平均30代の講師陣でAI大学院を組織。並行して京畿道・板橋に産学連携センターを設置し、「アジア最高のAIバレー」に育成する計画だとしている。

ちなみに、板橋は多くのIT企業が拠点を構える韓国を代表する新興地区で、「板橋テクノバレー」内にはサムスン電子、LG電子、SKテレコム、KT、現代自動車、NAVER、ハンファ生命など7つの大企業が共同出資「知能情報技術研究所(AIRI)」も入居している。AI時代のシリコンバレーはどこに生まれるのか。その他、各国の動きも含め注視していきたい。

連載 : AI通信「こんなとこにも人工知能」
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文=河鐘基

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