ジョルジオ・アルマーニ、ランウェイで「合掌」 日本の島国性に共感、12年ぶり来日

ランウェイでゲストの拍手に応えるジョルジオ・アルマーニ

高まる心臓の鼓動を思わせる音楽に合わせ、ゆったりとした歩調でランウェイのラストを飾った冨永愛の後、スーツにネクタイ姿で現れたジョルジオ・アルマーニの姿に、ゲストの視線が注がれた。

感極まった表情で一瞬足を止め、顎のあたりで両手を合わせた。その後笑顔でランウェイを歩き、拍手に応えた。ファッション界を代表するレジェンドの登場に、涙するゲストの姿もあった。



84歳。稀代のファッションデザイナーであり経営者であるジョルジオ・アルマーニ氏が12年ぶりに来日し、ジョルジオ アルマーニ初となるクルーズコレクションのショーを24日夕方と夜、2回に分けて開催した。

会場は東京・上野の東京国立博物館表慶館。当時の皇太子(後の大正天皇)成婚記念に設立され、明治42(1909)年に開館、ドーム型の屋根が特徴的な日本初の本格的な美術館で重要文化財に指定されている。

ハリウッド女優ユマ・サーマン、キャンペーンモデルを務める西島秀俊、山﨑賢人をはじめ、安藤忠雄、上白石萌歌、草刈民代、河瀬直美、 剛力彩芽、斎藤工、鈴木保奈美、布袋寅泰、竜星涼ら著名人が駆けつけた。

ショーではメンズとウィメンズ計約120ルックを発表。男女ともにブランドを象徴するしなやかでエレガントなスーツスタイルを中心に、クルーズコレクションらしくカジュアルなドレスやセットアップも目立った。

ウィメンズ、レディースともに上質なレザーやべっ甲などの素材が随所に使われた。メンズコレクションは体にフィットしながら、動きにより柔らかい表情を生み出す仕立て。ウィメンズでは縦のラインを強調するシルエットが多く、タイトにまとめた髪型に、ボタンやブローチと同素材の大ぶりのイヤリングや帽子を合わせるスタイルが目立った。



今回のショーは「アルマーニ/銀座タワー」のリニューアルを記念して開催。ジョルジオ・アルマーニはこうコメントした。

「東京にまた戻ってこられたことを心から嬉しく思っています。東京は、歴史あるものと新しいものとが矛盾なく共存している他に類を見ない魅力的な街です」

ジョルジオ・アルマーニ独占インタビュー。創造と経営の接点とは

参加者に配布された資料では、ブランドにとって日本が特別な意味を持つことを強調。日本のカルチャーやスタイルの「島国性」をアルマーニのクリエイティビティに重ね合わせてこう表現した。

「時代性と伝統が見事に共存している『日本』のように、ジョルジオ アルマーニはファッション界の中で、アルマーニ独自のスタイルを持つ『島』を作り上げてきました。そしてその確固たるスタイルは独自性を保ちながらも時代の流れに見事に適応してきました」

文、動画=林亜季 写真=ジョルジオアルマーニ2020 クルーズコレクションショーPR 事務局提供

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