アップルは顧客基盤を一つの製品カテゴリーから別のカテゴリーに移行させるという新たなスタイルを確立した。MacのユーザーはiPodを利用するようになり、そしてiPhone、iPad、Apple Watchのユーザーにもなった。
顧客はアップルの「ブランド」がそのエコシステムにおける全てのカテゴリーにシームレスに機能するという信頼感を持っている。
アップルにとって、サービス事業部門は次のフロンティアだ。2番目に規模の大きな部門となっており、2018年の売上高は370億ドルだった。米金融大手モルガンスタンレーの予測では、2023年には1000億ドルを超えるとみられている。
ランキングの2位につけたのは、米グーグル。調査会社スタットカウンターによれば、同社は世界の検索エンジンの市場において、過去12カ月間に92%のシェアを占有していた。
同社もアップルと同様、電子メールからWebブラウジング、地図からクラウドストレージまで、自社ブランドで展開する製品カテゴリーを増やしている。
トップ5は全てテック企業
世界中の数多くのブランドが変化する消費者の生活習慣への対応に苦しむ中、大手のハイテク・ブランドは引き続き、成長を維持している。3位と4位に入ったのは、マイクロソフト(ブランド価値は1235億ドル)、アマゾン(同970億ドル)だった。両社とも前年から20%以上、価値を上げている。
一方、5位のフェイスブックは、過去12カ月間に価値を下げた企業の1つだ。トップ10に入ったブランドのうち、唯一価値を減らした(前年比6%減の約889億ドル)。
アクティブユーザー数は今年、24億人に達したが、データ保護やプライバシーに関する方針、フェイクニュースを巡る問題への懸念がネックになっている。
数字でみる上位ブランド
・100位までに入った企業のブランド価値の総額は、前年比8%増の2兆3300億ドル(約255兆3300億円)となった
・テクノロジー関連の企業以外でのトップはコカ・コーラで、ブランド価値は前年比3%増の592億ドルだった
・価値を最も増やしたテクノロジー関連の企業の中でも、eコマース最大手の米アマゾン・ドット・コムは同37%増を記録した
・その他に価値の増加率が高かったのは、ネットフリックス(+34%)、グーグル(+27%)、アドビ(+27%)だった
・価値を最も大きく減らしたのは、スウェーデンのファッションブランドH&M。前年比12%減の約115億ドルとなった
・上位100社に入ったのは米国企業が最も多く(56社)、トップ10のうち8社が同国の企業だった
・上位に入った企業が多かった国はその他、ドイツ(11社)、フランス(7社)、日本(6社)となっている
・業界別でみると、テクノロジー関連(20社)が最も多く、次いで金融サービス(13社)、自動車が(11社)、消費財(10社)、小売(8社)だった