「ビジネス書大賞2019」発表 いま日本で最も読まれるべき本は?

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5月22日、ビジネス書や自己啓発書を中心に書籍の刊行などを行うディスカヴァー・トゥエンティワンと、アカデミーヒルズ六本木ライブラリーが共同運営するビジネス書大賞2019実行委員会は「ビジネス書大賞2019」を発表した。

当賞では2018年1月〜2018年12月刊行のビジネス書を対象に、書店員やブロガー、出版社、マスコミ、六本木アカデミーヒルズライブラリー会員および一般読者の一次投票によってノミネート8作品が選出され、その後最終選考委員による審査のもと、大賞、経営者賞、読者賞の3つの賞が決められた。

今年の大賞には『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(著:新井紀子)が選ばれた。


『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』新井紀子[著] 東洋経済新報社

国立情報学研究所の教授である新井紀子氏のチームが行った全国読解力調査で判明した、日本の中高生は教科書の文章を正確に理解できないという問題。

世の中ではAI開発が進み、将来様々な仕事が代替されていくと予想されるなか、読解力のない人間は失業するしかないのか。論理的かつデータに基づきながら、最悪のシナリオと教育への提言がされている。

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』を大賞に選んだ審査員は、「甘く見ていた。ナメていた。タイトルから、新井先生が色んなところで言っている「子供の読解力の話だろ」と思っていたら……AIという無機物から人類の可能性と限界と、現在われわれが抱える問題を逆照射する、「どう生きるべきか」の指南書だった。読みやすさの点からも、ビジネスマン以外の人も読むべき現代の必読書だと思う」とコメントした。

経営者賞には『ティール組織──マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』(著:フレデリック・ラルー)が選ばれた。


『ティール組織──マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』フレデリック・ラルー[著] 鈴木立哉[訳]嘉村賢州 [解説] 英治出版

著者のフレデリック・ラルーはマッキンゼーで10年以上にわたり組織変革プロジェクトに携わり、エグゼクティブ・アドバイザー、コーチ、ファシリテーターとして独立。2年半にわたって新しい組織モデルについて世界中の組織の調査を行い本書を執筆した。

組織についてとことん向き合っている本書は審査員から、「組織自体を生命体として扱い、組織を組織自身の進化の力に任せて運営したら、組織は何を達成できるのか?きわめて魅力的で今日的な示唆に富む組織論」と賞賛された。


『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』スコット・ギャロウェイ[著] 渡会圭子[訳] 東洋経済新報社

3つめの読者賞には『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』(著:スコット・ギャロウェイ)が選ばれ、「GAFAはなぜ、これほどの力を得たのか」「GAFAは世界をどう支配し、どう創り変えたのか」、「GAFAが創り変えた世界で、僕たちはどう生きるか」という3つのテーマを元に、GAFAが創り変えた世界の姿について迫り、洞察している。

文=須貝直子

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