「カッピング」は効果なし? 米大学教授が警戒を呼び掛け

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疑似科学を擁護する人たちは、自分たちの偽りの主張が科学で証明されなかったときには常に、こうした言い方をする。もっと研究させてほしいと主張し、そして最終的には、筆者たちがこれまでそうだと考えてきたことが裏付けられる。これは、良くない科学を生み出すことにつながる。

米国立衛生研究所(NIH)の一部門である国立補完統合衛生センター(NCCIH)も、「幾つかの研究は行われてきたが、大半は品の低いものにとどまっている」「痛みを軽減することはあるかもしれないが、その根拠はそれほど明確に証明されていない」「その他の症状の改善にも役立つと結論付けることができるほど質の高い研究は十分に行われていない」などとして、カッピングを支持するには至っていない。

NCCIHはさらに、カッピングについて次のように警告している。

・持続的な皮膚の変色、傷痕、やけど、感染症などの副作用を引き起こし、湿疹や乾癬を悪化させる可能性がある
・まれではあるが、頭蓋内出血や失血による貧血など、重篤な副作用の例が報告されている

それでも、その他の面では賢い人たちが、「私には効果がある」と言う──返す言葉がない。お金を節約し、そして同時にあなたの皮膚を守るべきだ。誰かのカップに、吸い取らせてはいけない。
(筆者は米ジョンズ・ホプキンズ大学のブルームバーグ特別教授。専門は医用生体工学と計算機科学、生物統計学)

編集=木内涼子

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