キャリア・教育

2019.05.24 12:00

世界で評判の良いCEOランキング トップ10中8人が入れ替わり

グーグルのサンダー・ピチャイCEO(Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

グーグルのサンダー・ピチャイCEO(Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

グーグルはかつて問題など起こりえない企業と思われていたが、そこで浮上したのが2017年の悪名高き「メモ」だ。グーグルの元ソフトウエアエンジニアが社による多様性の取り組みを批判したこの文書は、同社の名声を傷つけた。
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同社のサンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は、この危機に対して透明性のある形で対応し、無傷でこの状況を脱した。しかしそれから2年の間に、グーグルは会社のセクシュアルハラスメント対応をめぐる従業員の抗議や、Google+(グーグルプラス)のサービス終了につながったデータ漏洩などに見舞われた。これには、シリコンバレーで最も信頼されているリーダーだったピチャイでさえも耐えられなかったようだ。

評判の測定・管理サービスを提供する米コンサルティング企業、レピュテーション・インスティテュート(RI)のスティーブン・ハーングリフィスは「昨年、世界で最も評判の良いCEOとして称賛されたピチャイは今年、トップ10入りを逃した」と述べた。RIは、昨年に続き2回目となる「世界で評判の良いCEOランキング」を発表した。今年は世界のCEOの評判が平均で2ポイント向上。ハーングリフィスは企業の社会的責任などがその原動力となっていると指摘する。

そうであれば、リーダーとしてのアイデンティティーが自社のアイデンティティーと密接に結びついているピチャイがトップ10から漏れたのも驚きではない。今年は昨年上位に入ったCEO10人のうち8人がトップ10入りを逃し、新たな顔触れと入れ替わった。そんな新顔の一人が、欧州石油最大手ロイヤル・ダッチ・シェルのベン・ファン・ブールデンCEOだ。
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ファン・ブールデンがこのランキングで上位に入るのは不思議かもしれない。エネルギー分野は道徳的な業界としては見なされてこなかったし、同社は世界で評判が高い企業のランキングにも入っていない。それを理解していたブールデンは、2014年に同社CEOに就任してから、こうしたナラティブの再構築を優先事項として進めてきた。

ファン・ブールデンは、シェル全体の二酸化炭素排出量を2020年までに半減させる取り組みを率いたほか、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)や世界資源研究所(WRI)などと協働し、シェルの計画が確実に実現されるようにした。こうすることで、エネルギー業界がこれまで避けてきた気候変動の問題を認め、自らの業界が引き起こした脅威から地球を守る努力を確約したのだ。

「エネルギーは評判が特に低い業界の一つだ」とハーングリフィス。「シェルは、気候変動と代替エネルギーの分野を真の意味で率いることで、エネルギー分野における良い企業の意味を再定義した」
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編集=遠藤宗生

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