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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

映画で使用されたデロリアン(Photo by Tara Ziemba/Getty Images)

大ヒット映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で一躍伝説的な名車となったデロリアンがカムバックしている。年内には、同車の少量生産がついに始まるとのことだし、デロリアンのファンベースが相変わらず熱いと言うことで、ハリウッドがデロリアン社の創造者ジョン・デロリアン氏の生涯についての作品を作るらしい。

今年、公開されるTVドキュメンタリーで俳優アレック・ボールドウィンがデロリアン役を演じるし、ジョージ・クルーニーの映画会社スモークハウス・ピクチャーズはデロリアンの生涯についての映画を制作しているようだ。クルーニー本人が監督を務め、主役も演じる可能性が強い。


「Framing John DeLorean」のイベントに登場した俳優のアレック・ボールドウィン(Getty Images)

ハリウッドがデロリアンにこれだけの関心を示すのもおかしくないと思う。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のおかげで、デロリアンは映画界で最も有名なムービーカーになったし、何よりもデロリアン社とその名車を作った男、ジョン・デロリアンのストーリーが面白いからだ。

GMことゼネラル・モーターズの優秀なエンジニアだったデロリアン氏は、1973年に独立。デロリアン・モーター・カンパニー(DMC) を設立し、伝説のクルマ「デロリアン」を生産し販売する。しかし、10年も経たないうちに会社は倒産。デロリアン本人は麻薬売買の疑いでFBIに逮捕される。

つまり、ここではっきり言ってしまえば、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の3作がなかったら、デロリアンはそのまま忘れられ消えていっただろう。

デロリアンと聞くと、多くの読者は1985年公開映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のテーマ車として懐かしく思い出すだろう。同車のステンレス・スチールのボディ、ガルウィング・ドア、ミドシップのエンジンは非常に珍しいコンビネーションだったし、人気を呼ぶ特徴でもあった。

しかし、正直なところ、デロリアンはそれほど良いクルマではなかったのだ。確かに、イタリアの世紀の天才デザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロ氏による外観スタイリングは高く評価されたけけど、エンジンの位置をフロントからリアに変更したせいで走りに悪影響を与えたことと、パワー不足のV6エンジンは130馬力しかなかったことが批判された。

アイルランドで9000台ほど生産されたけど、やはり同工場からアメリカへの船便は3週間以上かかることと、通貨レートが悪化したことで、デリバリーの問題が発生し、結局1983年に倒産した。

文=ピーター・ライオン

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