ビジネス

2019.05.24

楽天グループが手がけるフリマアプリ「ラクマ」の役目は?

楽天執行役員 松村亮



──若年層を増やすという点では何にこだわっていますか?

若年層だけに限りませんが、ユーザ獲得という観点では、最初は認知度です。どれだけ良いサービスでも知ってもらわないことには何も始まりません。サービス統合後、販売手数料が安いという、分かりやすいメッセージととともにTVでのCMも新シリーズを作り、過去1年間で高いブランド認知度を築くことができました。

次のフェーズは、知ってもらった上で、さらに「ラクマは何が良いのか」を追及することです。そのためには、販売手数料の安さに加えて、楽天グループのアセットを最大限に活用していく必要があります。ラクマはもともと旧フリルのサービスを新「ラクマ」として利用しており、全ての利用者が楽天IDを持っている訳ではありません。それを年内には完全統合する形で進めています。そうなれば、これまで十分に利用してこれなかった、例えば、楽天スーパーポイントの活用などを始めとした楽天の得意な戦い方が、いよいよ可能になります。それらのベネフィットを、分かりやすいメッセージと適切なチャネルでユーザコミュニケーションしていくことが今後のカギになると思います。

──他社にはない強みはどこにあるとお考えですか?

グループアセットをベースとした「低価格の追及」と「機能面の充実」です。例えば、販売手数料3.5%は、多くのサービスを持っている楽天グループだからこそ、メンバーシップバリューへの貢献という視点で成り立つものです。また、機能面でも、様々なECサービスやグループサービスを持ち、共通的に活用する機能があるからこそ、フリマ事業単独では成立しえない投資と高いサービスレベルの実現が可能となります。

サービス統合からこれまでの1年間を振り返ると、旧フリルのサービスが楽天のグループアセットを最大限活用出来るようにIDやシステム的な準備を進めるとともに、ラクマというブランド認知度の迅速な拡大にフォーカスしてきました。この次のフェーズでは、いよいよ、楽天のグループアセットをフルレバレッジすることで、成長する2次流通の取り込みとともに、グループのエコシステムへ3つの視点での貢献(ヒト、モノ、カネ)を加速化していければと考えています。

文=裵麗善(ぺ・リョソン) 写真=小田駿一

ForbesBrandVoice

人気記事