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リセッション(景気後退)が近づいていることを示す兆候は、イールドカーブ(利回り曲線)の逆転だけではない。企業の不祥事の増加もまた、同じことを指すものだ。

企業のスキャンダルはいつも、ビジネスサイクルの終わりに最も増加するようだ。その理由として考えられるのは、企業の最高経営責任者(CEO)も人間であるということだ。人間は全てが順調に進んでいると、自信過剰になる。

1980年代後半、S&L(貯蓄貸付組合)の経営破綻を原因とする危機に見舞われた米国はその後、1990~91年にかけて景気後退に陥った。2000年代初頭には、エンロンやタイコ、ワールドコムなどを巡るスキャンダルが発覚。深刻な不況のきっかけとなった。

その後に起きた金融危機の最中には、(米ナスダックの元会長)バーナード・マードフによる巨額詐欺事件が明るみに出た。その数年前には、コモディティ・ブローカーのレフコが、CEOによる数百万ドルの不良債権隠しによって破綻していた。
そして現在、過失や不祥事が疑われる公開会社が再び増加しているようにみえる。

問題に直面する企業の増加

・ボーイング:米連邦捜査当局は、同社の旅客機「737MAX」が受けていた安全性認定を巡る刑事捜査を進めている。死者を出した2件の墜落事故の発生については、搭載されているソフトウェアが関連しているとみられている。

・フェイスブック:利用者に関するデータの取り扱いについて2011年に米連邦取引委員会(FTC)と合意した内容に違反していたとして、同社には最大50億ドル(約5510億円)の制裁金が科される可能性がある。同社についてはその他の問題でも、調査が行われている。

・ゴールドマン・サックス:マレーシアの政府系ファンド「1マレーシア・デベロップメント(1MDB)」の汚職問題とマネーロンダリング(資金洗浄)に関与したとして、同社と元従業員2人が、同国で起訴されている。最高幹部らが違法な取引の一部を承認していた可能性もあるとされている。

・テスラ:イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が自社に関する非公開かつ誤解を招く可能性のある情報をツイートしたとして、米証券取引委員会(SEC)は同CEOを法廷侮辱罪に問うよう求める訴えを起こしていた。和解に至ったことから、マスクは今のところ、刑事訴追を免れている。

・ルノー・日産・三菱アライアンス:元会長カルロス・ゴーンは、報酬を過少申告し、会社の資産を私的に流用していたとして日本で起訴されている。実刑判決を受ける可能性もある。

──例を挙げれば切りがない。

編集=木内涼子

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