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2019.05.24

富山発の「クレイジーハウス」が日本の未来をつくる


施設の名前は「Dahra Dacha(ダーラダチャ)」にした。Dahraとはインドの言葉で「流れ」、Dachaはロシア語で「離れ・別荘」を意味する。当社の社名である「レオス」はギリシア語の「流れ」に由来することもあり、いわば“レオスの別荘”という意味合いがある。

しかし、これはダジャレというか、ギャグみたいなもの。「だらだちゃ」というのは富山弁で「ばかだね」という意味の言葉だ。まあ、“クレイジーハウス”というような意味合いで、突飛なことをする人たちだよ、という自虐を込めているし、シャレでもある。

具体的な活動としては、3カ月に一度の勉強会と懇親会を柱にしていこうと考えている。慣れてきたら頻度を上げていくと思うが、こういったことはスロースタートに限る。いきなりねじり鉢巻きで勢いよくやっても、周りの人が驚くし、ついてこられないことも多い。

短期間では成果が上がらないし、地元の人に受け入れられなかったらうまくいくわけなどない。ゆっくりと時間をかけ、徐々に力を入れていくような感じが結果的にはうまくいくのではないか。

あとは「地方創生アワード」を全国で作ろうと思っており、その富山版を開催できたらと考えている。それは朝日町にこだわることはないので、富山市でやれたら面白い。

これからの日本の未来を考えると、東京だけで日本を発展させることなどありえない。また、東京だけが発展することを必ずしも成功と呼ぶことはできないだろう。

筆者が経営するレオスは東京を拠点にしているが、私たちが運用しているひふみのコンセプトは、「日本を根っこから元気にする」というものだ。根っこから元気にするためには、それが仕事という形ではなくても、具体的に行動することで示していくことが大事だと考えている。

本連載でも折に触れてこの富山での活動について報告できたらと思う。


ふじの・ひでと◎レオス・キャピタルワークス代表取締役社長。東証アカデミーフェローを務める傍ら、明治大学のベンチャーファイナンス論講師として教壇に立つ。著書に『ヤンキーの虎─新・ジモト経済の支配者たち』(東洋経済新報社刊)など。

連載:カリスマファンドマネージャー藤野英人の「投資の作法」
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文=藤野英人

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