ビジネス

2019.05.23

セコイア出身起業家のEコマースZilingo、250億円調達でアジア市場へ

Kaspars Grinvalds / shutterstock.com


工場と消費者をダイレクトにつなぐ

Zilingoの出資元も同社の未来を楽観している。「彼らの、買い手よりもマーチャントを重視するアプローチに魅了された。これは、ほとんどのマーケットプレイスには見られない姿勢だ」と、2016年以来同社に6000万ドルを出資したBurda Principalの担当者は話した。

「Zilingoの究極のゴールは、アパレルの製造工場と消費者をダイレクトにつなぐことだ」と彼は話した。

Boseはアリババやアマゾン、LazadaらがZilingoの競合にはならないと考えている。「私たちはマーチャントたちに、全てのプラットフォームに出品するよう呼びかけている」と彼女は話す。

Zilingoのようにマーチャントを支援するプラットフォームは他になく、同社は東南アジアのニッチな市場で勢力を拡大する計画だ。「インドネシアやバングラデシュ、スリランカなど、我々がオペレーションを行う諸国のマーチャントは、中国のテック企業や金融サービスへのアクセスを持たない」とBoseは話した。

Boseによると、今後の成長のカギとなるのはローカライゼーションだという。Zilingoは現地のスタッフを通じ、小規模なマーチャントたちが可能な限り迅速に、手軽にビジネスを始められるプラットフォームを提供している。

セコイアキャピタルに勤務時代、多くのスタートアップに出会った経験を、Boseは活かしている。「会社を立ち上げると孤独を感じることも多い。各国の起業家たちを支援しつつ、Zilingoの事業を拡大していきたい」と彼女は話した。

編集=上田裕資

ForbesBrandVoice

人気記事