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2019.05.22

「拠点」をつくる | 越境イノベーションモデル5選

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3. あわえ/徳島県美波町/2013年〜



ベンチャー誘致で地方を活性化

地方へのベンチャー企業誘致による地域振興事業をモデル化し、全国の自治体にそのノウハウを提供しているのがパブリックベンチャーのあわえだ。代表の吉田基晴は、採用難という企業課題を解決すべく、2012年に自らが運営するサイファー・テックのサテライトオフィスを徳島県美波町に開設。その経験を生かし、これまでに19社以上のベンチャー企業を誘致してきた。社員の労働環境向上に加え、地方から全国への事業展開をも提案。地方創生の先駆けとして積み上げてきたスキルをもとに、地方への進出およびマッチングをサポートする。働き方の多様化に伴い新しい暮らし方が生まれ、さらに内包された複雑な地方課題も解決へ導くという一例だ。

4. Little Japan/東京・浅草橋ほか全国13拠点/2018年〜



月額1.5万円からの泊まり放題ホステルパス

「地域と世界をつなぐ」をテーマに掲げる浅草橋にあるゲストハウスLittle Japanを中心に、全国の提携ゲストハウスに定額で泊まり放題となるシステムが誕生。週末をゆったり過ごすために自宅は郊外に構え、平日は都心のホステルから出社するといった使い方もあれば、自宅を持たずにホステル暮らしを選択、多拠点として全国を渡り歩き活動するなど、「住まいはひとつでなければならない」という概念を外す取り組みをしている。通勤定期代より安い定額で時間と労力を節約しつつ、それを起業準備や学習に充てたり、都心あるいは地方に「第二の家」を持つことで多拠点でのビジネスが身近に。提携先は順次拡大中で、地域資源を生かしたビジネスの創造による地域創生を目指す。

5. 軒先ビジネス/全国累計7000件以上/2009年〜



全国の空いた軒先を起業の足掛かりに

全国の空いた「軒先」をレンタルスペースとして貸し出すマッチングシステム。現在登録されている軒先は多岐にわたり、飲食の移動販売に適した都心のオフィスビルエントランス、土産物や雑貨などの物販向けに駅前広場、マーケティングやセールスプロモーションにはショッピングセンターのエスカレーター横など、多様な空きスペースの有効活用を提案。

また、TSUTAYA、ココカラファイン、ブックオフなどとも提携し、その一角でポップアップショップを設営できる店舗もある。開業資金をかけずとも各地に拠点を持つことが可能で、テスト販売の段階で利用するという使い方も。関連事業として、営業時間外の飲食店をレンタルしてランチや喫茶、軽食を提供する「軒先レストラン」や、空いた駐車場を有効活用できる駐車場予約システム「軒先パーキング」がある。いずれにしても貸す側も借りる側も、法人・個人問わず気軽に試せるところが大きな魅力。

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文=フォーブス ジャパン編集部+三井三奈子

この記事は 「Forbes JAPAN 地方から生まれる「アウトサイダー経済」」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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