ビジネス

2019.05.22

1人ではなく、3人で。FIREBUGがテックとの掛け合わせで狙う、個の時代の「エンタメ」とは何か

創業者の佐藤詳悟

コンテンツ業界では今、マスメディアとデジタルの統合がより一層進んでいる。スマートフォンダブレット、PCからコンテンツを消費することはもはや当たり前のものとなり、より質の高いコンテンツを消費者はインターネットに求めるようになった。それこそ、これまでテレビ局が制作していたような、面白く、心を動かされるようなエンターテインメントを求め、それに応えるようにして様々なクリエイターが生まれている。

FIREBUGは、そんな新時代を体現するかのようなエンターテイメントスタートアップだ。2016年2月に設立された同社の創業者である佐藤詳悟は、吉本興業でマネージャー業を経験し、マスメディア業界に精通している。そして4月10日に新たに代表取締役CEOに就任した宮崎聡は、サイバーエージェントで取締役や子会社代表を歴任しており、インターネット業界での実績と豊富な知見を持つ。同じくして、ペロリ創業者の中川綾太郎が社外取締役に就任した。

コンテンツ創出に必要なプロデューサー、クリエイター、アーティストなどのネットワークを構築し、動画や音楽など多様なコンテンツの制作とPR事業からスタートしたFIREBUG。現在、スタートアップを中心とした企業向けにマーケティング・PR支援や、アーティスト・クリエイターのプロデュース、テレビやユーチューブなどのさまざまなチャネルのコンテンツ制作事業など、幅広く手掛けている。

また、経営体制の強化を目的とした共同代表制への移行とともに、ANRIをはじめ、複数のVCや事業会社、エンジェル投資家を引受先として、総額4.2億円の資金調達を実施したことを発表した。今回の調達と経営体制の強化により、新たに著名人やインフルエンサーを対象に、ユーチューブを中心とした動画プラットフォームでのマネタイズをサポートするエージェント事業を開始するほか、さらなる事業拡大を目指すとしている。
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文=大木一真 写真=小田駿一

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