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予算、チームの不足。スタートアップの課題

FIREBUGではスタートアップを中心とした企業を対象に事業を展開している。4、5年前に比べ、スタートアップが調達する資金が5倍ほどまで大きくなっている印象だと宮崎は話す。以前は5、10億の調達は上場直前くらいの企業だったが、それが早まってきた傾向にあるという。それにより、スタートアップが広告やマーケティングに投下する予算が大きくなった。

「今までのスタートアップはネットで集客し、数が集まってきたら最後にマス向けのテレビCMなどを打つのが一般的。最近は大きい資金調達が早いタイミングでできるようになってきたことで、早めにキャズムを超えるために積極的にマスに出ていく傾向があります」(宮崎)

しかしスタートアップのマス広告の予算は2、3億規模。大手の広告代理店では1アカウント数十億で担当しており、まだまだ小さな額だ。そのため、施策をやってもらえたとしても、予算が小さいことを理由に、バイイング(広告枠の買い付け)とクリエイティブ力をもつ、いいチームに案件を担当してもらえるケースは少ないという。そうしたスタートアップが抱える課題に寄り添ってチームを組成し、大手の広告代理店とつながり、コンテンツも一緒に作っていくことで成功率をあげてきた。

「コンテンツの作り方もだいぶ変わってきていますよね。最近だと『バズ』を求められることがよくあります。例えば、ロバート秋山さんのクリエイターズファイルのお手伝いをさせていただきました。

芸能人やタレントがやりたいことをうまく活かしつつ、低予算ながらも多くの人に知っていただくことができたと思います。制作もコルクの方と合同で3、4人のチームでプロジェクトを進めました」(佐藤)

少ない予算でもエンターテインメントコンテンツは工夫できる

佐藤によると、そうしたエンターテインメントのコンテンツのあり方に大きな変化が生まれているなか、大事なことが2つあるという。

1つ目は、予算が限られている中でいかにコンテンツを作る工夫ができるかということ。今後ますますインターネット動画に予算が投下されていくが、今はまさに過渡期であり、テレビほどの予算がまだない。お金を使って、いいものをつくるというより、予算が限られている中でいかに工夫してコンテンツを作っていくか、そして企画や職人的なアイデアが大事になる。

そして、2つ目がクライアントがやりたいことを、タレントやアーティストがいかに面白くできるかということだ。予算が限られる状況ではタレントやアーティストのアイデアも相当大事なものになってくる。逆に予算が高いほど、演出側がその作品を担保するが、予算がないのであれば、本人たちがやりたいことをいかに面白くしてあげるかという趣向・考え方になるという。

文=大木一真 写真=小田駿一

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