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ビスタが重視する「ベストプラクティス」

ビスタが買収したソフトウェア会社は、スミスが設計したシステムに従って運営される。スミスはおよそ100件の自社のベストプラクティスの例を挙げ、それらに基づくプレーブックを作成。約100人からなるコンサルティング専門の別会社も立ち上げた。

ビスタのベストプラクティスの例として最もよく知られているのは、全ての従業員が必ず受ける性格・適性テストだ。ビスタの投資先企業は約6000人を採用するため、年間85万人にこのテストを受けてもらっている。このテストが目的とするのは、出身校や人種、性別に基づく偏見を持った人材の雇用を避けることだ。

ビスタはまた、投資家に多くを還元することでも知られている。スミスのパートナーであり、同社のディール担当チームを率いるブライアン・シェスは常に、短期間でのイグジットを目指している。昨年は2016年に買収したマーケティングオートメーション・ソフトウェアのプロバイダー、マルケトを47億5000万ドルで売却。30億ドルの利益を得た。

ビスタが2010年以降に買収したソフトウェア会社は、合計200社を超える。グーグルやフェイスブックを含め、世界中のどの企業も上回る数だ。ビスタが所有する企業を全てまとめて1社にすれば、企業アプリケーション・ソフトウェアでは世界で4番目の規模となる。

支援の重要性を認識

スミスの卒業式で講演したのがジョン・ユーテンダルではなかったら、これらは実現していただろうか──。

アフリカ系米国人がどのような困難に直面するか、スミスは明確に認識している。スミスはフォーブスの推計で約50億ドルの資産を持つ富豪だ。それでも、仕事やその他の場面で、人種差別に遭うことがある。

スミスは卒業生たちが抱える学費ローンの問題と、その負担を考えた。実社会で夢をかなえようとする若いアフリカ系米国人たちが直面するだろう経済的な困難を考えたのだ。

幅広く慈善活動を行うスミスは、体系的な問題は一人では解決できないことを理解している。だが、一人でも誰かの人生に変化をもたらすことは可能であり、その影響が広がっていく可能性があることを知っている。

編集=木内涼子

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