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2019.05.20

「仕事」をつくる | 越境イノベーションモデル5選

「かまパン&ストア」

地方という余白(ポテンシャル)の多いフィールドで、何か新しいことをしてみたいあなたへ。Forbes JAPANでは、地域や価値観、職種などさまざまなボーダーを越えて活躍する人物を「越境イノベーター」と名付け、目指す人へのヒントを「面白さ」「仕事」「仲間」「拠点」の4カテゴリーに分けて事例を紹介しよう。


「仕事」をつくる5つの事例

1. 瀬戸内ジャムズガーデン/山口県大島郡周防大島町/2003年11月〜



ジャムから始まった「起業の島」

耕作放棄地を借り受けて立ち上げた自社農園と、58軒の地元の契約農家から仕入れた柑橘類など多彩な農作物を生かして、周防大島でしか作れないジャムを年間180種製造。ジャムを使ったスイーツが楽しめるカフェ&ギャラリーを運営するなど、6次産業形態で事業展開し、年間15万本を販売している。地域内の経済循環を重視し、契約農家からは通常の数倍以上の高値で農作物を買い取る。また、島へのU・Iターンを応援する会「島くらす」を立ち上げ、移住や起業を支援するほか、島内の中高校生に対する起業家教育にも携わる。地元の海産物を生かしたオイルサーディンなどを手がけるオイシーフーズなど、後を追って島内で起業する事例が増えている。

2. トランビ/東京都港区/2011年7月〜



大廃業時代を乗り越える中小企業M&A

小規模企業も参加可能なM&Aマッチングプラットフォーム。家業のアスク工業(長野県)を継いだ2代目社長の高橋聡が、後継者難により取引先企業が廃業していく状況に危機感を覚えて立ち上げた。大廃業時代を迎え、小規模企業の事業承継が社会課題化するなか、企業だけでなく、個人を含む誰もがM&Aを選択肢の一つとしてもてる仕組みを構築。事業会社で経験を積んだ会社員が地域の仕事を引き継ぎ、自分の経験や技術、ノウハウを生かして経営者として挑戦するきっかけにもなる。実際、家族経営していた地方の町工場を20代の会社員が買い取り、Iターンして独立するなどの事例が出ており、トランビに登録する個人の買い手は増え始めている。
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文=フォーブス ジャパン編集部+三井三奈子

この記事は 「Forbes JAPAN 地方から生まれる「アウトサイダー経済」」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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