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2019.05.20 12:00

中国ラッキンコーヒーIPO、女性創業者が一瞬「ビリオネア」化

Keitma / Shutterstock.com

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中国のラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)のIPOは、新たなビリオネアを誕生させた。ラッキンコーヒーが北京に最初の店をオープンしたのは、今からわずか20カ月足らず前のことだ。

ラッキンコーヒーは5月17日、米ナスダック市場に上場した。17ドルで売り出された同社株は一時25.96ドルの高値をつけ、時価総額は60億ドル近くまで膨らんだ。

同社の創業者のJenny Zhiya Qian(銭治亜)は発行株式の17%近くを保有しており、彼女の資産額は一時的に10億ドルを突破した。ただし、その後の株価の下落により、終値ベースの彼女の資産額は約8億ドルとなった。

Qianは中国のレンタカー企業の「Car Inc」と、配車サービスの「Ucar」でCOOを務めた後、2017年10月にラッキンコーヒーを創業した。

同社の創業にあたり、Qianは1億5000万ドルの出資をCar Inc創業者のCharles Zhengyao Luらから受けており、Luは既にビリオネアになっている。

ラッキンコーヒーはデリバリーに特化したスタイルで、急速に店舗数を拡大した。店舗の90%は都市部のオフィスビル街などの人口密集地にあり、アプリ経由の注文で18分以内にコーヒーが運ばれてくる。ラッキンコーヒーの価格はスターバックスよりも大幅に安く、若い年齢層からの支持を集めた。

同社は今年3月時点で約2400店舗を運営中で、年内に4500店舗に広げ、店舗数でスターバックスを上回る計画だ。

スターバックスは1999年に北京で中国初の店をオープンし、現在は3600店舗を運営する。ただし、スターバックスも2022年まで毎年600店舗を開設する予定で、デリバリーサービスも拡大中だ。

ラッキンコーヒーは急拡大を遂げた一方で、膨大な赤字を生み出している。SEC(米証券取引委員会)への提出書類で、2018年の同社の売上は1億2500万ドル、損失は2億4100万ドルとされた。

さらに2019年第1四半期の売上は7130万ドル、損失は8220万ドルだった。

PitchBookのデータによると、Qianはラッキンコーヒーの上場前に累計7億ドル以上の資金を調達していた。IPOにより、5億6000万ドル(約615億円)以上を調達した今、「中国トップのコーヒーチェーン」を目指すという野望に向けて、彼女はさらに資金を燃焼させていく。

編集=上田裕資

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