ビジネス

2019.05.20

「世界最大の通信企業」1位は米AT&T、2位にベライゾン

Photo by Michael Brochstein/SOPA Images/LightRocket via Getty Images)

フォーブスが5月15日に公開した2019年版「世界の有力企業2000社ランキング(グローバル2000)」で、世界最大の通信コミュニケーション企業に選ばれたのは米国のAT&Tだった。ベライゾンが次いで2位に入った。

この領域では大きな変化が訪れているが、上位の顔ぶれに変化はなかった。中国のチャイナモバイルや、日本のソフトバンクやNTTらはこの分野のトップ5の圏外だった。欧州最大の通信キャリアにあげられるドイツ本拠のドイツテレコムは、総合ランキングで37位も順位を落とし、116位に下落した。

AT&Tは世界の総合ランキングでは12位に入った。同社は2018年6月にタイム・ワーナー(総合159位)の買収手続きを、850億ドル(約9兆4000億円)で完了させて以降、資産額や利益を増し、時価総額を増大させている。

AT&Tの時価総額は2019年4月18日時点で、約2330億ドルとされており、グローバル2000で25位に入った。同社のタイム・ワーナー買収に関しては、独禁法に触れる可能性を米司法省が指摘していたが、今年2月にワシントンの連邦地裁は司法省の訴えを却下した。
AT&Tは今後、ワーナーメディアのリソースを活かし、複数のストリーミングサービスを立ち上げる予定だ。

通信業界ではこのところ、モバイルデータのダウンロード速度を従来の10倍から20倍に向上させる5Gテクノロジーの到来に期待が高まり、今後のビジネスの激変が予想されている。

AT&Tは今月、同社が5G導入に向けたファーストステップであると宣伝する「5G Evolution」という呼び名のサービスを開始したが、関係筋からはこれが既存のLTE回線を誇大宣伝したものであるとの強い批判が噴出した。同社の競合のスプリントは、AT&T の広告戦略について訴訟を起こしたほどだ。

ベライゾンもまた、初期の5Gサービスの立ち上げに向けて準備を進めている。

一方で、5Gについての話題に必ずつきまとうのが、中国のファーウェイの問題だ。ドナルド・トランプ大統領は5月15日、国家安全保障にリスクがあるとみられる企業の通信機器を米国内の企業が使うことを禁じる大統領令に署名を行った。

同時に、米商務省はファーウェイと関連企業70社を「エンティティーリスト」という名のブラックリストに追加すると発表した。これにより、ファーウェイは米政府の許可なく、米企業から部品などを購入することが禁止された。

編集=上田裕資

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