元ウーバー運転手が設立の「写真で稼げるサイト」Shuttoutが描く夢

Gettyimages

オンラインマーケティングの分野では「コンテンツこそがキング(王様)だ」とよく言われるがMatt Chlodnickiは、それは必ずしも真実ではないと話す。

「人々が気に入るコンテンツこそが、キングなんだ」と写真共有プラットフォームの「Shuttout」を立ち上げたChlodnickiは述べる。Shuttoutは人気の写真を発見し、アマチュア写真家らが稼げる場所を提供するプラットフォームだ。

インスタグラムでは昨年、毎日42億回もいいねボタンが押されていたというが、Shuttout はデータを拾い集めることで、人々の写真のソーシャルバリューを評価する。高評価を獲得した写真は、誰かに買ってもらえる確率が高まるのだ。

Chlodnickiは2年前まで母国のポーランドでウーバーの運転手として働いていた。2014年にはポーランドで初の電子書籍のパブリッシャーを立ち上げたが上手く行かず、ウーバーで生活費を稼いでいた。

Chlodnickiは仕事の合間に写真を撮ってSNSでシェアするのが好きで、Shuttoutのアイデアを思いついた。家族から、写真コンテストに応募することを薦められたが、もっと良い発表の場があってもいいはずだと考えた。

その後、彼はポーランドのクラウドファンディングサイトPolakPotrafi.plでキャペーンを立ち上げ、目標額を大幅に上回る支援金を獲得した。さらに、2017年にはテック系投資家のMariusz Muszyński の支援を受けることに成功。約13万ドルのシード資金を獲得した。

Chlodnickiはウーバーの仕事を辞めて、Shuttoutの業務に専念するようになり、Muszyńskiの主導で目標額70万ドルの新たな資金調達に向けた動きを開始。現在までに目標額の約90%を調達している。

Shuttoutは本格的なスタートから約1年で180カ国以上から、10万人以上の登録会員を集め、アップロードされた写真の枚数は9万枚を突破した。Chlodnickiはこのプラットフォームを6人のチームと共にポーランドで運営中だが、会社の登記は英国で行った。

「イギリスを選んだのは、グローバル市場へのアクセスを加速するためだ。英国の会社制度はポーランドよりも起業家に優しい」と彼は話した。

Shuttoutは有料のサブスクリプション会員から月額費用を徴収し、売上は既に2万3000ドルを突破したという。Chlodnickiは2020年の末までに、会員数150万人の達成を目指している。Shuttoutを世界最大のソーシャル写真ギャラリーに成長させるのが、彼の夢だ。

「写真コンテストとしての規模を拡大し、ソーシャルの指標に基づくプラットフォームに成長させていく。AIを用いたアルゴリズムを加え、人々に写真で収益を得られる機会を与えていきたい」とChlodnickiは話した。

編集=上田裕資

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