韓国的・成功の極意。誘惑と「そもそもつき合わない」という新発想

shutterstock.com


2.習慣は誘惑を除去する効果的な自己規制である

自己規制能力が高い人がよりよい成果を出せる理由がもう一つある。それは、「有益な習慣を身につけている」ことだ。意志が強い人は正しい習慣を身につけている。

心理学者ブライアン・ガラーとアンジェラ・ダークワースの研究では、自己規制能力が高い人々には健康な食習慣が身についている上に、誘惑を抑える必要性すら、強くは感じないことがわかった。彼らはそもそも、自動的に、習慣的に「有益な」方向に行動し、「寝ようか、食べようか、運動しようか、やめようか」とは悩まない。

大事なのは、「意志決定の必要性」自体をなくすことだ。いつも同じ時間に同じ行動をする人たちこそが、目標を達成しやすい。彼らには不屈の意志があるわけではない。彼らは「ルーティーン」を持っているだけだ。

筆者にもこういう経験がある。数年もの間、後回しにしていた「運動」をコツコツと繰り返せるようになったのは、「時間を決めて運動する」ことを決めたのがきっかけだった。「月曜日の5時に体育館に行く」。その決めごとに沿って「黙っていても自動的に体が動く」ようになれば、誘惑など怖くないのだ。

「決めたことをなかなか達成できない自分が、習慣なんて作れるのだろうか?」。そう感じるだろうか。もしそうならば、なおさら、「ルーティーン」化するべきである。たとえば、すでに毎朝歯を磨いているのであれば、もう1つくらい、習慣を加えられるはずだ。

「誘惑回避」と「プチ習慣作り」を通じて、「力を抜いて楽に調節」し、目標を達成する自分の姿を、ぜひとも想像してほしい。


チョ・チソン=スタンフォード大学で統計学(修士号)、延世大学にて心理学(博士号)取得。SKテレコム・マネージャー、SAMSUNGグループ研究員、タイムワーナー首席QAエンジニア、ネットスケープコミュニケーションズQAエンジニア。延世大学では心理学、「行動と社会的脳」、「人間行動と社会」を教える。

翻訳=裵麗善(ぺ・リョソン) 編集=石井節子

ForbesBrandVoice

人気記事