Slack、急成長の秘訣──人事トップが明かした、採用のポイント、組織づくりの裏側

Slackのカンファレンス「Frontiers 2019」のセッションに登壇したロビー・クォック

先日、IPO申請書を公開し、大きな話題を集めたSlack Technologies(以下、Slack)。CEO兼共同創業者のスチュワート・バターフィールドが同社を創業したのは2013年。わずか5年での上場申請はSlackの急成長ぶりを物語っている。

申請書によれば、チームコミュニケーションツール「Slack」は150カ国以上にわたる60万以上の組織で活用され、デイリーアクティブユーザー数(DAU)は1000万人を超えている。

Slackが短期間で、ここまで成長できた背景にはGithubやTrelloといった他社ツールとの連携、カスタム絵文字などの便利で、使いやすい“機能”もそうだが、何より社員の存在が欠かせない。4月24日、25日の2日間にわたってサンフランシスコで開催されたSlackのカンファレンス「Frontiers 2019」に参加してみて、印象的だったのは開発した新機能について笑顔で話すSlack社員の姿だった。


「Frontiers 2019」に登壇する現場の社員たち

どうすれば、もっと使いやすくなるのか。どうすれば、もっとコラボレーションが捗るのか──常にサービスのより良い姿を考え続け、試行錯誤を続ける。優秀な社員を採用し、会社のミッション・ビジョンを徹底的に浸透させているからこそ、今のSlackがあるのだろう。

どうやって、そんな組織文化を構築したのか。今回、Forbes JAPAN編集部は人事担当SVPのロビー・クォックに独占で取材する機会を得た。後にツイッターが買収した「TellApart」で事業運営を行ったほか、リンクトインで経営企画、ヤフーで事業戦略を担当してきた同氏。Slackに入社したのは3年前。人事の責任者になったのは1年半前のことだという。そんなロビーが語った、Slackの競争力を高める人材採用、人事運営の方法とは。



Slackが採用で意識している「4つの特性」とは?

──Slackのカルチャーといえば、「Work Hard and Go Home(しっかり働き家に帰ろう)」が印象的です。

これは創業時にスチュワートが考えたものです。他のテクノロジースタートアップにはないカルチャーをつくりたい。そんな考えから生まれました。

この言葉にSlackの働き方が集約されています。オフィスにいるときは目の前の仕事にフォーカスし、仕事が終わったら、家に帰って自由に時間を過ごす。仕事と家庭のバランスを保つことを大事にしています。
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文=新國翔大

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