国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

BMW8シリーズ

旧型BMW8シリーズが生産中止になったのは、ちょうどユーロが導入され、ヒット映画「マトリックス」が公開された1999年だった。あれから20年経った今、全く新しい8が帰ってきた。

バリトン的な声で歌うV8搭載の新型車は大きく、重くて、速くて、しかも高額。だが、フットワークはその重さに反する。

今回の8シリーズは、俳優に例えたら、きっと「X-MEN」で一躍有名になったヒュー・ジャックマンみたいな存在。筋肉質で、フットワークが速くて、それに歌声は鳥肌が立つほど魅力的だ。

さて、新しいクーペのルックスはどうだろう。代表的なキドニーグリルの両サイドが伸びただけでなく、フロントスポイラーがピカソのキュービズムのように非常にエッジーに構成されている。でも、シルエットや曲線は美しく、全体的なプロポーションが良い。テールもきれいに形づくられているけど、とってつけたようなリップスポイラーは少し気になる。正直に言うと、BMW i8のようなスーパーカー的なフォルムの匂いがあれば、もっと目立っただろう。



とはいえ、8シリーズの質感や完成度はトップクラス。シートとダッシュボードの本革は高級だし、ステッチも完璧な仕上がりだ。黒のレザー仕様もあるけど、タンと黒のツートーンのコンビの方が人気が出るだろう。また、クリスタル風のシフトレバーやiDriveのスイッチが8シリーズの高級度をさらに上げている。

今回のクーペはいわゆる2+2で4人乗りではあるものの、後部席のレッグルームやヘッドルームが非常に限れらているので、体格のいい人には少し厳しいかもしれない。

インパネの大型ディスプレーの画質は非常に高く、バウアーズ&ウィルキンスのサウンドシステムはなかなか良い。ただ、音量調整のために画面の前で手をグルグル回すという方式は効果的でないと思ったので、ステアリングホイールに付いた音量スイッチに頼った。僕はアナログからなかなか抜けられない人間だからね(笑)。

もう一つ気になったのは、左下から右上に回るタコメーターではなく、右下から左上に動く、運転者の目の前の画面の右側に配置されたタコメーター。これには慣れが必要だ。


文=ピーター・ライオン

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