世界の公開会社を売上高と利益、資産、時価総額に基づく総合スコアで評価し、順位を決定する「グローバル2000」で、アマゾンは前回から25ランクアップの28位に浮上した。ウォルマートは順位を5つ下げ、29位となっている。
アマゾンは会員制プログラム、「アマゾンプライム」の米国の加入者が1億人を突破。傘下のスーパー、ホールフーズ・マーケットの値引きや、提供するテレビ番組・映画や無料配送サービスの拡充などへの多額の投資を行い、会員向け特典の充実を図っている。
今年4月には、現在行っている無料の翌々日配送サービスを翌日配送に切り替えるため、8億ドル(約875億円)を投資すると発表した。
猛烈な勢いで成長を遂げるアマゾンに対する投資家たちの高い関心のおかげで、創業者のジェフ・ベゾスは世界一の富豪になっている。同社の2018年通期の利益は前年の約30億ドルから急増。100億ドルを超えた。また、時価総額は9000億ドル超となっている。一方、ウォルマートの時価総額は、3000億ドルに満たない額だ。
それでも、幾つかの点では依然として、ウォルマートがアマゾンを上回っている。年間売上高はアマゾンの2倍以上だ。保有する不動産が多いことから、資産もアマゾンに大差を付けている。従業員数はアマゾンの4倍に近い約220万人だ。
その他の注目企業
アマゾンとウォルマートに次いで世界3位の小売業者となったのは、中国のe-コマース大手アリババだった。エンターテインメントや物流、決済ビジネスなどの分野に多額の投資をしている。
今年3月までの2019会計年度の売上高は前年比51%増の約560億ドル。年間アクティブユーザー数は6億540万人に上った。ただ、急成長を続ける同社も国内の景気減速と米中の貿易戦争の激化の影響を受けており、伸び率は鈍化している。
また、2000社のリストに名前が入った小売業者の中には、より深刻な問題に直面しているものもある。
米大手ランジェリーブランド、ヴィクトリアズ・シークレットの親会社Lブランズは、同業のスタートアップ、サードラブやトゥルーアンドなどのほか、小売大手のターゲット、衣料品ブランドのチコズといった従来からの競合各社との戦いが一層激しさを増す中、前回より230ランク下げて1311位となった。その他、経営再建中のシアーズ・ホールディングスは、前回より166ランク低い1913位となっている。