10段階評価は女性に不利 必要なのは「6段階」

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業績評価で従来の10段階ではなく6段階の形式をとると、性別による偏りを回避できる可能性があるとする論文が、米学術誌アメリカン・ソシオロジカル・レビューで発表された。10という数字は、天才や才気といった特性に関連づけられており、男性に有利なバイアスを生む。同論文によると、6段階、あるいはそれより少ないスケールで評価を行うと、偏った評価を防げるのだという。

段階評価は本来なら個人の働きを公平に評価する方法であるはずだが、論文では段階評価にもやはり偏重があることが示された。例えば、従来型の10段階評価では、男性と女性が同じ資格を持ち同じように行動したとしても、男性の方が女性よりも高く評価されてしまうのだという。

数字や段階を使った評価については好き嫌いがあるだろうが、こうした評価方法は実際に使われており、避けることはできない。避けられないのなら、それを変えればよいのだ。以下の2つのステップに従い、より公平な条件の下で男女を評価する機会を作ろう。

1. 上司と情報を共有する

この記事を読んでいるあなたは、前出の論文や6段階評価についての知識がある。次は、その情報を同僚や上司と共有しよう。この研究結果について知ることは有益だが、さらに有益なのは、上司が6段階評価について知り、それを実践することだ。

上司に対してこれをすべきだと命令はできないが、優秀な上司は部下の成功が自分の成功につながることを心得ており、この情報を検討してくれるだろう。

2. 部下の6段階評価から始める

部下を持つ立場にいるのなら、自ら6段階評価を実践しよう。違うスケールを使えば、周囲から注目される。あなたの部下は、自分の部下に対して新評価方法を使い始めるかもしれない。自分から連鎖反応を始めよう。

自分の所属する組織が、10段階による質的な業績評価を求めているなら、それに従わざるを得ないかもしれない。そこで、6段階評価も並行して実施し、この情報も含めるようにしてみよう。そうすれば、他の人々や組織も偏重の存在に気づくかもしれない。

構成概念やモデルは、新しいバージョンが登場するまで使い続けられる。10点満点を目指すのはやめよう。あなたには、人々の評価モデルを変え、自分の成功可能性を高める力がある。

編集=遠藤宗生

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