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左より:ウォッカCMO 冨樫忠幸氏 ウォッカCEO 吉羽一高氏

誰もが安心して暗号資産(仮想通貨)を使える社会の実現を目指し、誕生したプラスチックカード型のコールド・ウォレット、「Wodca」。ウォッカCEOで開発を担当している吉羽一高と同社CMO冨樫忠幸がその可能性についてはじめて語ってくれた。


企業と消費者双方にメリット

暗号資産(仮想通貨)に対し、ここ数年の間に起きたいくつかの事件によって、多くの人がネガティブな感情を抱いたままでいる。そんな渦中に誕生したのが、プラスチックカード型のコールド・ウォレット、「Wodca」だ。このカードが、失われつつあるブロックチェーンの魅力を取り戻し、市場拡大に一役買うのではと市場の期待を高めている。

開発者のウォッカCEOの吉羽一高は、2013年から仮想通貨事業と深くかかわり始め、近年はいくつかのブロックチェーン事業やICOのマーケティングサポートを行っている。その過程で、いつから逡巡を抱えるようになり、何がきっかけで「Wodca」の開発に踏み切ったのだろうか。吉羽が言う。



「現在さまざまな決済サービス競争が起きていますが、それらのすべては銀行口座に最終的に紐付いたままの旧来のシステムで、仮想通貨はそれとは一線を引くところに新しい可能性があります。そもそも仮想通貨というのは国単位の信用より、地球全体の信用で通貨を管理したほうが望ましいという思想から生まれました。つまり、ブロックチェーンという技術によって公正性とセキュリティが担保された通貨の価値は、一国が発行する通貨をも上回るというのが立ち位置だったのです。ところが、プラットフォーマーである通貨の発行側は、一般的に使える段階になっていないにもかかわらず、技術的な革新性だけを競い合い始めた。 “信用”される通貨として一般に普及させるには何をするべきかという、もっとも重要な部分が抜け落ちてしまい、現在もそのままの状態です。テクノロジーへの過剰な期待値だけが先行した結果、ICOなど投機的な一面だけがクローズアップされてしまった。通貨である以上、一般の消費者が気軽にビットコインやイーサリアムに触れられる機会を多くつくる必要があります。こうして行き着いた先が『Wodca』だったのです」

「Wodca」の革新性は、QUOカードと比べてみるとわかりやすい。企業がイベントで参加者にQUOカードを贈呈したとする。インセンティブを先に配布するだけだと、企業と消費者の間にこれ以上の発展的な関係性は生まれない。

これを「Wodca」に置き換えた場合、イベント参加者がこのカードを手にした時点では、ビットコインなどのアドレスが記載された通貨の入っていないカードである。ところが、このカードの裏面に印字されたQRコードを通じてアクティベーションすると、カードに記載されているアドレスに仮想通貨がインセンティブとして送金される。このアクションが企業と消費者のタッチポイントとなり、コミュニケーションが生まれる。

企業はインセンティブを支払うための口座を、コンタクトするパーミッションとともに取得できるため、キャンペーンなどに反応してくれたユーザーに対して直接的にインセンティブを提供することが可能になる。一方、ユーザーは、ビットコインなどの口座を面倒な手続きをすることなく取得できるだけでなく、ビットコインを“買わず”、「Wodca」を通じて“もらう”という選択肢が得られるようになる。

Wodcaのビジネスフロー
Wodcaを起点に生まれる新たなビジネススキーム。ブロックチェーンが社会一般に浸透することでパラダイムチェンジが起き、企業と消費者の関係性はより密接になる。

「つまり、『Wodca』というのは、市場に流通しているビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨の口座を、可視化して配布していると考えてもらえればいいでしょう。そのまま使うことも、円に換金することも、資産を増やしていくこともできる。仮想通貨の普及につなげていく目的で生まれたビジネスモデルです。もちろん、私たちも『Wodca』ユーザーとコンタクトが取れるようになります。ウォッカでもカードの利便性を高めていく目的で、アンケート調査や、ウェブ広告を行っています。ユーザーが広告に反応することで得られる報酬の一部を仮想通貨で付与するメディアビジネスも、ウォッカが現時点で行っているもうひとつのビジネスモデルです」
 
すでに、ユーザー視点のサービスも進んでいる。「Wodca」を通じて、電話番号を入力するだけで仮想通貨を送金できるというもので、ブロックチェーンの弱点とされていた手間が大幅に削減される。スタートアップのウォッカがなぜ瞬く間にこれだけのサービスを構築できたのだろうか。

「セガサミーホールディングス、トランスコスモス、オークファンといった、それぞれの業界を代表する企業から出資を得られたのが何より大きかったと思っています。ビジネスを推進していくには弊社は社会的信用を得なければならなかった。彼らが、『Wodca』を通じて、ブロックチェーンへの参入を本格的に検討し始めたというニュースが流れたことで私たちの事業価値を高めてくれたのです。とはいえ、ブロックチェーン市場はまだまだ再加熱するまでには時間を要します。ウォッカ社が順調に成長していけば、仮想通貨取引所とは異なる大きなビジネスになると思っています」

未来は人のつながりによって開かれる
 
吉羽の打ち出すアイデアに対して、マーケティングアジャストするのが冨樫忠幸の役割。冨樫がウォッカの今後のビジョンを語る。

「暗号資産の国内取引所の口座数が現状300万程度。日本人口の2%程度しか保有していない。ウォッカの仕組みを通じて、仮想通貨の保有体験者を10%増加させ、日常化とマーケット拡大に寄与することが、ファーストフェイズとなります。また、ブロックチェーン上に、通貨ではなく、権利やアイテムを乗せていくことで新たなサービスを構築できると考えています。いわゆるDApps(分散型アプリケーション)と呼ばれる技術です。『Wodca』のネットワークを通じて、例えば、トレーディングカードの次世代版のようなサービスなどが考えられるでしょう。人と人とのコミュニケーションによって、誰もが当たり前のようにブロックチェーンを使う環境になることが理想です。そこに行き着くにはまだしばらく時間がかかるかもしれません。まずは、多くの企業、多くの人にブロックチェーンの真の価値に触れてもらうことも大事だと思っています」


吉羽一高◎ウォッカCEO。サイバーエージェント、電通を経て、ハンズオンを前提とした事業改革や新規事業構築を行っているアポロのCEOに就任。アポロ社で仮想通貨取引所の開発、ICOサポートを行う過程で仮想通貨領域にあるギャップを埋めるべくウォッカを設立。

冨樫忠幸◎ウォッカCMO。日広( 現、GMONIKKO)、ミクシィなどを経て、企業のコミュニケーション設計からプロモーション実行までマーケティング支援を行っているインタレストデザイン社のCEOに就任。マーケティング軸で事業拡大を担うべくウォッカの取締役に就任

Promoted by ウォッカ / text by Hiroshi Shinohara / photographs by Kiyoshi Hirasawa / edit by Akio Takashiro

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