ビジネス

2019.05.17

フェイスブックを襲う「第2のケンブリッジ・アナリティカ」

AngieYeoh/Shutterstock.com


今回も「対応が遅れた」という失態

テッククランチは、次のように報じている。「フェイスブックは2019年1月までRankwaveに接触を図らなかった。同社は、Rankwaveに対して、規約を遵守していることを証明する資料の提出を求めたが、Rankwaveは応じなかった。その後、Rankwaveは規約に違反していないと主張したが、証拠は提出しなかった。フェイスブックは、さらなる時間の猶予を与えたが回答がなかったため、Rankwaveが運営するアプリを停止した」

フェイスブックは次のようにコメントしている。「当社は、フェイスブックのプラットフォームを利用している全てのデベロッパーに対して、規約の遵守を求めている。Rankwaveは、同社の調査に協力しなかった。当社は、Rankwaveのアカウントとアプリを停止した」

先日は、2人の上院議員がFTCに対する公開書簡を発表した。議員らは、ケンブリッジ・アナリティカ関連でフェイスブックに課す罰は、30億ドルから50億ドルとされる罰金では済まされないと主張している。

「FTCは、フェイスブックをはじめ、成長を優先して法を軽視するようなテック企業に対し、断固たる姿勢を示すべきだ。FTCは、フェイスブックによる個人情報の取得と活用を長期的に規制するべきだ」

フェイスブックは、5月10日に次のようのようにコメントしている。「提訴に踏み切ったことで、デベロッパーに対して当社が規約の遵守に対して真剣であるというメッセージを送ることができた」

しかし、長期間に渡りRankwaveが個人情報を乱用することを許したことで、フェイスブックの意図とは全く異なるメッセージが発信された。フェイスブックは、Rankwaveに対する捜査の実行を裁判官に強制させるつもりだ。

また、フェイスブックの社会的な評価と信頼が失墜したことに対する損害賠償をRankwaveに求める予定だ。しかし、今回もフェイスブックの対応が後手に回ったことは否めない。

編集=上田裕資

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