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Forbes JAPAN Web編集部

ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相(Photo by Mark Tantrum/Getty Images)

3月15日に起きた、ニュージーランド(NZ)クライストチャーチのモスク銃乱射事件。イスラム教徒が狙われ、約100人が死傷し、死者は51人にのぼった。

事件後の3月19日の国会で、NZのジャシンダ・アーダーン首相は犯人について「私が今後この男の名前を口にすることは決してない。彼はテロリストで犯罪者で、過激主義者だ。しかし彼は、私が話すときは名前を持たない。皆さんにお願いです、人の命を奪った男の名前ではなく、亡くなった方たちの名前を声に出してほしい」と訴え、被害者やその遺族らに敬意を払った。

NZでは銃の保有に免許が必要だが、この犯行に半自動小銃が使用されたことを受けアーダーン首相は、害獣駆除やカモ猟など合法的な使い方を例外にした上で、半自動小銃や殺傷力の高いライフル銃の規制の厳格化を明言。

4月10日にはNZ議会で銃規制法を修正する法案の採決がされ、ほぼ全会一致で承認された。その2日後の4月12日には、半自動小銃の販売や保有を禁じる法律が施行され禁止対象となる銃は政府が所有者から買い取り回収する対応を取っている。

アーダーン首相は記者会見で、「武器が大量に、簡単に手に入れられる時代は終わりにしなければいけない」と述べており、銃乱射事件発生から1カ月経たずに銃規制を実現させた。

またこの事件は、犯人がフェイスブックで犯行の様子をライブ配信し視聴者によって拡散されたことも大きく取り上げられ、テロリストによるSNS悪用問題が浮き彫りとなった。

この問題の影響で、フランス・パリで現地時間5月15日に開かれたSNSの悪用対策サミットにエマニュエル・マクロン大統領と共に主宰で参加したアーダーン首相。

そのサミットを前に、米国で連続して起きる銃乱射事件の問題についてCNNの取材に、「オーストラリアは大量殺人を経験して法律を改正した。我々も自らの経験によって法改正を行った。正直、米国は理解できない」と銃の対策を取らない米国に対しコメントした。

サミットではグーグルやツイッター、フェイスブック、マイクロソフトなどIT大手の他、各国首脳らがサミットに出席し、ネットへの過激な投稿の撲滅を目指す誓約「クライストチャーチの呼びかけ」に署名がされた。フェイスブックは、ライブ配信に関する新しい規則導入も発表している。

文=須貝直子

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