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ニューヨークでは5月13日から仮想通貨のカンファレンス「コンセンサス(Consensus)」が開催され、5000人近い参加者らがこの領域の未来を陽気に語り合った。ビットコインの価格はここしばらくの間、急上昇を遂げている。

一部の専門家らは、ビットコイン価格の急騰の背景に中国の人民元の下落があると分析する。中国の投資家たちは今後も人民元の下落が続くと見ており、手持ちの資金をドルやビットコインに交換しているという。

ドナルド・トランプ大統領がここ2週間で関税を引き上げた結果、人民元は対ドルで2%の下落となった。中国の習近平国家主席が対抗策として、人民元の切り下げを行ない、中国製品の価格競争力を押し上げる可能性も指摘されている。

ベンチャーキャピタルDHVCの出身で、仮想通貨のホールディングカンパニーPrimitive Ventures創業者のDovey Wanは、直近のビットコインの値上がりの原因を、人民元やドルのチャートを引き合いに出して説明した。

「ビットコインは貿易戦争に勝利しつつある。米中の2国の法定通貨は価値を下げている」とWanはツイッターで述べた。

ニューヨーク本拠の仮想通貨のトレード企業XBTOのCEOのPhilippe Bekhaziも、同じ見方だ。「香港市場のトレーダーから話を聞いた結果、現地ではステーブルコインの需要が急激に高まっている。背景には人々が中国や香港から、海外に資金を移したがっていることがあげられる」

Bekhaziによると、アジアの一部の投資家は価格変動がない仮想通貨のTether(テザー)を購入し、資金を移転させようとしているという。

一方で、中国政府は国民が人民元を売りに出すことをやめさせようとしている。「中国政府は資金の移転に神経を尖らせている」と元メリルリンチの主任エコノミストで、コンサルティング企業A. Gary Shillingのプレジデントを務めるGary Shillingは話す。

「結果的に、人々はどんな手段を講じてでも、資金を移転させようとしている。ビットコインがその恩恵を受けているのは、私としては驚きだ」

中国政府は2017年に仮想通貨の取引を禁止しており、中国での仮想通貨の取引ボリュームを正確に推定することは難しい。中国には大手の取引所は存在しないが、こっそりと利用されているのが、OTCと呼ばれる個人間の取引エージェンシーだ。

「中国のOTCトレーディングの大半はWeChatグループで行われる」と香港のOTC取引所OSLのチェアマンを務めるDave Chapmanは話す。彼の試算では、世界の仮想通貨取引ボリュームの20%を中国が占めているという。

ビットコインの価格上昇を招いた別の要因として指摘されるのは、仮想通貨企業Flexaがウォレットアプリの「SPEDN」の提供を開始した件だ。SPEDNのアプリを用いた仮想通貨決済は今後、スターバックスなどの米国の大手企業15社で利用可能になる。

Bekhaziは、今後もビットコインの価格上昇は続いていくと考えている。「値上がりの背景には、現実的な需要がある。この市場の成長はリアルなマネーに牽引されている」と彼は話した。

編集=上田裕資

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