ビジネス

2019.05.16 11:45

海草食の魅力を米国人にアピール メーン州の起業家たち

maramorosz/Shutterstock.com

maramorosz/Shutterstock.com

米メーン州では、先月末から今月初めにかけ、「海草ウイーク」が開催された。

それを聞いて、「海草ウイークって何?」あるいは「それで?」と思った人がいるなら、その疑問にはジョシュ・ロジャーズが答えてくれる。彼が発案した海草ウイークは、海草の持つ多くの効能を紹介し、スーパーフードとしての海草の認識を米国に広めるために立ち上げられた。

「常に顧客と接する中で気づいたのは、海草についてオープンな考えを持っている人はとても多く、そうした人々はすでに道半ばまで来ているということ。海草はクールなものだと分かっていながらも、その理由までは知らない」とロジャーズは言う。

ロジャーズは、海草がクールな理由をこう説明する。海草は植物ではなく藻類に分類され、あらゆる部分から海洋の栄養素を取り込んでいるため、人間の体に良い食材となっている。

「海草はミネラルが豊富なことで知られており、摂取がしにくいヨウ素などのミネラルが陸生植物と比べて10倍も多く含まれている」とロジャーズは言う。「海草は、微量なものを含め約60種類のミネラルを含んでいる。特に多いのがヨウ素、カリウム、鉄分、カルシウムで、そのほかホウ素などの珍しいものもある」

ロジャーズがメーン州ポートランドで経営するヘリテージ・シーウィード(Heritage Seaweed)は、趣のある2階建てレンガ造りの建物に店を構えており、公式ウェブサイトでは「北米初の海草専門店」をうたっている。

ヘリテージ・シーウィードでロジャーズは、同社の看板商品である海草茶のほか、メーン州を拠点とする別の海草製品企業オーシャンズ・バランス(Ocean’s Balance)製の海草せっけんや海草ふりかけなども販売している。ふりかけにはオーガニック海草に加え、ごま、砂糖、塩が含まれ、「スパイシー」、「カツオ」、「シイタケ」の3種類が用意されている。

メーン州ビデフォードに本社を置くオーシャンズ・バランスは最近、ポートランドとバンゴーで放送されているテレビ番組『グリーンライト・メーン』で、10万ドル(約1100万円)の最高賞金を獲得した。同番組は審査員に対し起業家が自分のビジネスを売り込むもので、『マネーの虎』の米国版である『シャーク・タンク』のローカル版のような内容だ。
次ページ > 最大のハードルは味

編集=遠藤宗生

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事