アルフォードはフェイスブックにとって初の黒人女性取締役になる。ケンブリッジアナリティカ問題の発生以降、世論の強い非難を浴びるフェイスブックは、社内のカルチャーの改善に取り組んでおり、アルフォードはその動きを推進する役割を担う。
ダイバーシティの向上は米国企業にとっての必須課題となっている。昨年は元アメリカン・エキスプレスCEOのケネス・シュノールトが、フェイスブック初の黒人取締役に就任した。
シリコンバレー企業で長年、リーダーシップをふるってきたアルフォードに求められるのは、フェイスブックが犯した失点を回復していくことだ。彼女は不動産投資企業のMacerich Companyでの勤務経験もあり、ビジネス的な知見も豊富だ。
アルフォードは声明で次のように述べた。「困難な課題に直面しながらも、人々のつながりをより良い方向に向かわせようとする、フェイスブックの一員となれることに感激している。マークや他の幹部らと共に、新たなコミュニティの在り方を探っていきたい」
フェイスブック幹部の黒人比率はわずか3%で、同社はここ最近の米国企業のトレンドとなったダイバーシティ向上のトレンドに遅れをとっている。JPモルガンやウーバー、ネットフリックス、Etsyといった企業らはいずれも、2018年の第1四半期に黒人女性幹部を役員として迎え入れた。
企業の幹部のダイバーシティ向上が、多くのメリットをもたらすことはデータでも示されている。マッキンゼーの調査によると、取締役会レベルで人種や性別の多様性を高めた企業は高い収益をあげ、ガバナンスを強固なものにしている。
デロイトの調査でも、2018年にフォーチュン100及びフォーチュン500企業の取締役に就任した黒人女性の数は26.2%の上昇だった。デロイトは2024年までにこれらの企業の女性及び人種的マイノリティの幹部の比率が、40%上昇すると予測している。
今回のフェイスブックの決断は喜ばしいことではあるが、米国の上場企業幹部に黒人女性が占める割合はまだ少なすぎる。フォーチュン500企業の中で、黒人女性がCEOを務める企業はわずか3社にとどまっている。
企業のダイバーシティを向上させる上で、やらねばならないことはまだ数多くある。アルフォードの取締役就任は、5月30日のフェイスブックの年次総会で正式に承認される予定だ。