MacBook Proを「ドングル地獄」から救う69ドルの画期的デバイス

Ugis Riba / shutterstock.com

3月末にアップルが発表したワイヤレス充電マット「AirPower」の開発中止は、多くの人々をがっかりさせるものだった。iPhoneとアップルウォッチ、AirPodsを同時に充電できるAirPowerは、アップル製品のファンにとっては待望のデバイスだった。

そんなAirPowerとほぼ同等の機能を実現しただけでなく、新型MacBook Proの利用者が苦しむ「ドングル(変換アダプタ)地獄」まで一挙に解決するデバイスを、深センのスタートアップ企業「Miizer」が発表した。

新型MacBook ProではUSB3.0が廃止され、USB-Cのみになったことで、今まで揃えた周辺機器が利用できなくなってしまった。筆者は仕事柄、多くの動画を編集しているが、メモリーカードからMacBookに動画ファイルを転送するたびにカードリーダードングルを挿入しなければならないのが悩みのタネだ。

こうした問題を解決してくれるのが、Miizerが開発したオールインワン・ドングルの「Hub」だ。この製品はほぼ全てのI/Oポートに対応するだけでなく、iPhoneとアップルウォッチを同時にワイヤレス充電することができる。AirPodsは充電できないが、開発が中止されたAirPowerと同じ役割を果たしてくれる。

外観は通常のドングルに比べてかなり厚みがあるが、USB-CとUSB-Aがそれぞれ2つ、MicroSD、SD、イーサネット、3.5mmヘッドホンジャックがついている。

充電は、ワイヤレス以外にも、交換可能な充電ヘッドを使って従来の方式で行うことが可能だ。4K動画をMicroSDカードからPCへ転送することもでき、HDMIポートを使って4K30Hzで外部モニターに出力することもできる。

ワイヤレス充電のプレートは、スマホ1台を置くにも小さ過ぎるくらいだが、うまく並べればアップルウォッチも同時に充電可能だ。しかし、10W出力では少し遅く感じる上、スマホがプレートから滑り落ちてばかりいるので、充電ケーブルを使った方が快適だと感じた。アップルウォッチは、サイズもバッテリー容量も小さいため、Hubを使っても問題なく充電することができる。

このドングルは、MacBookのようにポートが少ないPCはもちろん、あらゆるUSB-C対応デバイスに使うことができる。例えば、ファーウェイのスマートフォンと接続するとデスクトップモードが起動し、HDMIケーブルをテレビや外部モニターに接続すれば、ファーウェイ端末をデスクトップパソコンとして使うことができる。

Miizer Hubは、インディーゴーゴーでのクラウドファンディングを成功させ、現在は69ドルで購入することができる。アップル製品のドングル地獄や、AirPowerの開発中止で困っている人には最適な解決策といえそうだ。

編集=上田裕資

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