そんなAirPowerとほぼ同等の機能を実現しただけでなく、新型MacBook Proの利用者が苦しむ「ドングル(変換アダプタ)地獄」まで一挙に解決するデバイスを、深センのスタートアップ企業「Miizer」が発表した。
新型MacBook ProではUSB3.0が廃止され、USB-Cのみになったことで、今まで揃えた周辺機器が利用できなくなってしまった。筆者は仕事柄、多くの動画を編集しているが、メモリーカードからMacBookに動画ファイルを転送するたびにカードリーダードングルを挿入しなければならないのが悩みのタネだ。
こうした問題を解決してくれるのが、Miizerが開発したオールインワン・ドングルの「Hub」だ。この製品はほぼ全てのI/Oポートに対応するだけでなく、iPhoneとアップルウォッチを同時にワイヤレス充電することができる。AirPodsは充電できないが、開発が中止されたAirPowerと同じ役割を果たしてくれる。
外観は通常のドングルに比べてかなり厚みがあるが、USB-CとUSB-Aがそれぞれ2つ、MicroSD、SD、イーサネット、3.5mmヘッドホンジャックがついている。
充電は、ワイヤレス以外にも、交換可能な充電ヘッドを使って従来の方式で行うことが可能だ。4K動画をMicroSDカードからPCへ転送することもでき、HDMIポートを使って4K30Hzで外部モニターに出力することもできる。
ワイヤレス充電のプレートは、スマホ1台を置くにも小さ過ぎるくらいだが、うまく並べればアップルウォッチも同時に充電可能だ。しかし、10W出力では少し遅く感じる上、スマホがプレートから滑り落ちてばかりいるので、充電ケーブルを使った方が快適だと感じた。アップルウォッチは、サイズもバッテリー容量も小さいため、Hubを使っても問題なく充電することができる。
このドングルは、MacBookのようにポートが少ないPCはもちろん、あらゆるUSB-C対応デバイスに使うことができる。例えば、ファーウェイのスマートフォンと接続するとデスクトップモードが起動し、HDMIケーブルをテレビや外部モニターに接続すれば、ファーウェイ端末をデスクトップパソコンとして使うことができる。
Miizer Hubは、インディーゴーゴーでのクラウドファンディングを成功させ、現在は69ドルで購入することができる。アップル製品のドングル地獄や、AirPowerの開発中止で困っている人には最適な解決策といえそうだ。