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米アマゾン・ドット・コムは先ごろ、ニューヨークのバッテリー・パーク・シティに初の現金払いが可能な「アマゾン・ゴー」を開業した。

2018年初めに開業、「レジがないコンビニ」という驚きのイノベーションを体現した店が今、現金での支払いを受け入れ始めた。これは、アマゾンが競合他社や政府の何歩も先を行っていることを改めて証明するものだといえる。そう考える理由は、3つある。

1. わずか「2カ月」

米国ではペンシルベニア州フィラデルフィア市とニュージャージー州が、「キャッシュレス」店舗の禁止を決めた。そうした政治的な圧力を受け、アマゾンが新たな対応方針を決定し、実行するまでにかかった期間はわずか2カ月だった。

実店舗において、特に現金決済のような重要な問題についてこれほど迅速に動くことができる小売業者は、他にはない。大半にとっては、ほぼ不可能なことだ。驚くことではないが、アマゾンは思いがけずに「政治的な変化球」が飛んでくることに対しても、すでに準備ができていたのだ。

2. 現金払い受け入れは「単なる対応」

アマゾン・ゴーでの買い物がどれほど簡単かということに、誰もが驚いている。また、サンフランシスコやニューヨーク、シカゴのように混雑した都市では、時間の節約に大いに役立っている。

長期的にみれば、アマゾン・ゴーの買い物客のうち、現金で支払いたいという人の割合は小さくなるだろう。すでに上述の都市などでは、その他の決済方法も利用可能になっている。だが、たとえ今後、全ての顧客がキャッシュレス決済を利用するようになったとしても、現金払いが可能なアマゾン・ゴーは、公共の利益にかなった店だということになる。

ニューヨークの新店舗には、「店内の隅に気付かないような」レジが設置されているという。面積約120平方メートルの店にレジを置くための、シンプルな解決策だ。こうした形で現金払いに対応することは、次に挙げる「アマゾンが賢い理由」にも関係がある。

3. 「現金払い派」の減少を予測

アマゾン・ゴーで現金払いを選ぶ人たちは、他の大勢の客たちが自分よりも短時間のうちに店から出ていく様子を見て、自分が時間を無駄にしていることに気づくだろう。そして、できればキャッシュレスで買い物がしたいと思うようになる。

それは、テクノロジーが主導する現代の世界では属する所得層に関わらず、「時は金なり」だからだ。この事実が、キャッシュレス払いが中国で優勢を占める理由であり、スターバックスがモバイル決済アプリで大きな成功を収めてきた理由だ。

編集=木内涼子

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