今年も健在、「大谷効果」を全米メディアも手放しで賞賛

ヤンキース戦に出場した大谷翔平(2018年5月25日撮影、Getty Images)

ヤンキース戦に出場した大谷翔平(2018年5月25日撮影、Getty Images)

ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が、現地の14日、ミネソタ・ツインズとの試合で4打数3安打1打点をマークし、打率も3割2分1厘(レギュラー陣のなかで最高)に伸ばし、第2打席ではメジャー通算100安打にも到達した。

前日の試合でも、今シーズン第1号の特大ホームランを打っており、この大谷の完全復活に、アメリカのファンやメディアも、まるでシーズンを優勝したかのような騒ぎだ。

そもそも、大谷のゲーム復帰が決まってからの、こちらでの盛り上がりはすごかった。復帰の当日、エンゼルスが公式ツイッターで「今夜、大谷が戦列復帰します」と書き込むと、1万3000人のファンが見て、一気に4000件の書き込みがされた。いまも、エンゼルスのツイッターのトップ画面には、「Ohtani is back」という煽りとともに、大谷の写真がデカデカと掲げられている。

「去年並みに復活」を強調

CBSスポーツのマット・スナイダー記者は、開幕から大谷が復帰する前までのエンゼルスのもたつきを評して、「15勝19敗とはもはや救いがたい。大谷こそが救世主となるだろう」と、かなり筆圧も強く大谷待望論を述べていた。実際、大谷復帰前のエンゼルスは、アメリカンリーグの15球団の中で、得点数で11位、平均打率で12位、出塁率で9位、長打率で9位と開幕から大スランプに陥っていた。

大谷復帰とともに、チームには活気が溢れ、試合も勝ち数が上回るようになり、チームの順位もアメリカンリーグ西地区の2位にまで上がった(現地13日の時点)。いわば、スナイダー記者の予言的な記事が的中したかたちだ。エンゼルスにおける「大谷効果」については、昨年から何度も言われてきたことだが、本当に大谷が出場するときのチームの雰囲気は、見ていてもかなり活気が感じられる。



13日に、大谷が今季初ホームランを飛ばしたときも、普段はあまりその態様にはこだわらないスポーツメディアも、131メートルの飛距離を、例によって「Big Fly」と形容。MLBのエンゼルスのページでも「特大ホームラン」と銘打って動画まで据えていた。

ちなみに、去年の大谷のホームランの最長飛距離は137メートルだ。メディアも飛距離を喧伝することで、すでに大谷は去年並みに復活したと強調しているようにも思える。ちなみに13日の大谷の1号ホームランは、打球速度180キロという公式記録だが、これも昨年の最速にほぼ並んでいる。

アメリカのスポーツ専門チャンネルであるESPNも、大谷の復帰が、同僚の強打者マイク・トラウトやアルバート・プホルスにも影響を与えているとして、存在そのものがエンゼルスにとって大きいとベタ褒めだ。とくに、大谷の選球眼と打撃パワーを評して、「彼の投手として投げるスプリットと直球に勝るとも劣らない価値だ」としたうえで、「大谷のおかげで、トラウトのバッティングチャンスが増えている」と分析している。
次ページ > 「半分の大谷」でもいいのだ

文=長野慶太 写真=Getty Images

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事