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世界各地で電動キックボードのレンタルサービスが拡大する中で、事故の発生件数も増えている。

この業界の大手として知られるのが、2017年に設立され、翌年には企業価値が10億ドルを突破したLime(ライム)だ。同社は今年2月、ソフトウェアの不具合により、少なくとも30名が負傷する事故をニュージーランドで発生させていた

混雑した街路に新たな移動ツールを持ち込めば、事故が起こるのは当然なのかもしれない。しかし、米国疾病管理予防センター(CDC)が5月2日に発表したレポートで、これまで見えてこなかった、怪我の詳細や事故原因が明らかになった。

CDCとオースティン保健局は2018年9月から11月に、電動キックボードで事故を起こし救急病院に運ばれた190人に関する調査結果をまとめた。それによると、怪我人の半数近くが頭部に怪我を負っており、脳のダメージにつながったケースが15%あったという。

「190人のうちヘルメットを着用していたのは、わずか1人だった。これらの怪我は適切な予防措置をとれば防げたはずだ」とCDCは述べている。

今回の調査を主導したオースティン保健局のJeff Taylorは、以前から電動キックボードの安全性に懸念を抱いていた。TaylorはCDCの協力を仰ぎ、今回のデータをまとめた。その結果、意外なことに車との衝突が怪我の原因になった例はわずか10%だった。

怪我の大半は、利用者がこの新たな移動ツールに不慣れな事が原因で発生していた。電動キックボードは、特別な練習を必要とせず、誰にでも簡単に乗車できる事で人気を拡大した。しかし、今回の調査で怪我人の3分の1が電動キックボードに初めて乗車した人である事が判明した。また、63%は乗車経験が10回未満の利用者だった。

さらに、「スピードを出し過ぎていた」と回答した人も37%に及んでいた。研究者らは、電動キックボードを提供する企業に、利用者により細かなガイダンスを行うよう求めている。

今回の調査で、CDCは怪我の発生率を約90万マイルの乗車につき190件程度としている。しかし、ウーバーの元幹部が設立した電動キックスクーターのシェアサービスBirdはもっと低い怪我の発生率をあげており、100万マイルにつき33件程度としている。

Birdは今回の調査結果を受けて「今後は安全性の向上に向けて、利用者に適切なガイダンスを行っていく」と述べた。

一方でLimeのチーフ・ポリシー・オフィサーを務めるDavid Spielfogelは声明で次のように述べた。「CDCのデータは、電動キックボード企業がより安全で効率的な移動ツールを提供していく上で重要な指標だ。都市の交通渋滞を減らし、ユーザーを公共交通とつなげていくミッションを進めていく上で、安全性と信頼性をさらに向上させていきたい」

編集=上田裕資

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