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2019.05.31 06:30

車を「宅配ボックス」化する、フォードのコネクテッドカー戦略

Chesky / shutterstock.com

コネクテッドカー市場は、1996年にGMがリリースした「OnStar」で幕を開け、この20年で多くの車両に携帯通信向けモデムが搭載されるようになった。後発組のフォードは、リンカーンやプラグインハイブリッドカーの一部車種をコネクテッドカー対応にしたのみだったが、この2年で急速に他社を追い上げている。

今年中には、北米で販売されるフォードとリンカーンの全モデルがコネクテッドカーになり、アマゾンの配達員がドアを解錠して自宅に荷物を届けるサービス「Amazon Key」の自動車版(クルマのトランクに荷物を届ける)にも対応する予定だ。

コネクテッドカーとそれに対応したサービスは、世界中で急速に普及している。フォードが2007年に発表した「SYNC」は、ドライバーがスマホやメディアプレーヤーを車と接続し、音声やダッシュボードで操作できるインフォテインメントシステムだ。

フォードは「bring your own device(自分のデバイスを車両に持ち込む)戦略」を推進しており、アップデート版のSYNC 3もAndroid AutoやApple CarPlay、AppLink対応アプリに対応している。

今後、全てのフォード車がLTEモデムを搭載するようになると、ドライバーはFordpass Connectを使ってアマゾンで購入した商品を車のトランクに配達してもらえるようになる。フォード車とリンカーン車のオーナーは、FordpassかLincoln Wayのアカウントをアマゾンアプリとリンクさせ、自分の車を配送先に選択すればこのサービスを利用可能になる。

配達員は、車両がどこに停車しているかを把握することができ、配達員が車両に近づくとドライバーに通知が届く。配達員が到着すると、ドライバーはアプリを使ってトランクか後部ドアを開け、配達が完了したら再び施錠することができる。

現状、車両への配達を行っているのはアマゾンだけだが、技術的なハードルは低く、他の配送会社でも行うことができる。フォードは、2013年に開発者向けプログラムを立ち上げており、スマホ開発者はSYNC AppLink向けアプリを開発することができる。

現在、このプログラムではFordpass Connect向けAPIも公開している。FordpassとLincoln Wayで利用可能な最新サービスの1つが、オンデマンドの洗車・清掃サービスだ。
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編集=上田裕資

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