Forbes JAPAN Web編集部


こんな風に自分の状況で必要な事をシンプルに言葉にしていくと、やるべきことにたどり着けるはずです。

例えば、走高跳をはじめると、人は決まった助走位置からの背面跳びの技術練習をしますが、僕は違います。毎回違うところから助走をはじめて、『高く跳んでバーに触らずに向こう側に降りる』練習をします。やるべきは正しい技術だけではなく、どんな状況でもミスせずバーを超える練習。効率の良い決まったフォームの練習しかしないと、状況が変わると失敗しますから。スペシャリストは意外と脆弱だったりするんです。どんな状況の跳び方でもバーを越えられる自分を鍛えておく事が大切です。

目標を達成したいと考えたとき、自分の頭で考える前に、その分野の先人からセオリーを学ぼうとする人も多いでしょう。でも、セオリーや慣習は、その業界のトップからボトムまでの能力が平均化されたルールにすぎません。つまり、平均化した能力しか身につかない危険性があるということ。人と違うポジションを創りたいと思うなら、セオリーや慣習のどこに何が足りないかを考えることが必要です。

「大人が夢を持てる社会」を提示することは、芸能界で僕が伝えたいメッセージの一つです。物事の社会的価値を決めるのは、「人が求める数」です。多くの人から求められれば、お金も多く稼ぐことができる。他の人よりも求められる存在になり、高い到達点に行けるようになる。そうした「当たり前」のことを発信し続けて、子どもの頃に何かに出会ってスペシャリストにならなければ成功できないなんていう夢のない社会ではなく、大人になって本当に進みたい道が分かった時に、夢が叶う世の中になったら最高ですよね。

今は新しいスポーツをつくることや、毎日違うルールでプレイできるコロッセオみたいな競技場をつくることに興味があります。スポーツを才能あるほんの一握りの人たちのものにせず、大人になっても輝けるようなまったく新しいスポーツを生み出せたら、楽しいですよね。また、同じ理由から、大人になってアートの世界や芸術家を目指した人も輝ける、そんな場作りもしていきたい。39歳でデビューした自分のように、誰もが大人になってからいくつも夢が叶えられる、そんな未来を思い描いています。

文・構成=松崎美和子 写真=帆足宗洋

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