Forbes JAPAN Web編集部


話す技術については、30歳で芸能人になると決めてから、徹底的に研究しました。毎晩芸能人たちが集まる西麻布の飲み屋に通って知り合いになり、彼らの会話をICレコーダーで録音。盛り上がった部分を編集してCDにし、間合いや声色、イントネーション、空気の作り方、言葉の選び方など、その「面白いトーク」の秘密を分析して、全員分の会話を、歌詞を間違えずCDに合わせて歌を歌うように、コピーできるようになるまでひたすら聞いて、真似しながら練習しました。

「動物の倒し方」も、突然振られたことにその場で考えたように答えていますが、実はこれも同じ。一人で想定質問を考えて、答えを練習してできた「芸」です。笑福亭鶴瓶師匠には、「お前、ええなあ。あれ、落語やろ」と見抜いてもらって本当に嬉しかったですし、月亭八方師匠にも「あれつくったら勝ちやもんな。あれは芸やな」と言ってもらえたときは感激で震えました。

僕はメンタルが強いんじゃない。頑張り続けられるエコシステムを作れれば勝ち

「毎日3時間も続けられない。武井壮はメンタルが強いからできるんだ」と言われることもありますが、自分ではまったくそう感じていません。他にやっている人がいないのだから、これさえやれば自分がスペシャルな存在になれる。そうすれば、僕が番組に呼ばれる可能性は高くなる。この3時間は自分の最大の武器を磨く時間だと確信しています。

大切なのは、「頑張らなくてもやりたくなるシステム」を自分でつくりあげること。まずは努力以上の利益が必ず手に入る環境に身を置くことが大切です。頑張りに比べてメリットが少ないと、人の心は簡単に折れてしまいますから。スポーツの世界では、成績は日本一なのに、全く有名ではないし、稼げないトップアスリートもたくさんいますが、こういう状況はすごくつらい。

仕事のモチベーションを保ちやすい働き方のシステムができると、ポジティブの連鎖が起きて、あとは何をやっても勝手に楽しくなってきます。「やれば儲かる」「唯一無二でいられる」「必要とされる」と思えば、仕事のモチベーションは高まり多くのベネフィットが手に入る。さらにやりたいことがやれるようになるからますますやる気が出て、大人になっても新しい夢が持てる。頑張る必要などなく、すべての行動がポジティブな感情しか生まなくなる、という状態です。

シンプルに言葉にすれば道は見つかる。夢の叶え方は自分の頭で考える



では、どうやって目標達成の道筋を考えればいいのか。それは、シンプルに言葉にしてみるのがいちばんです。必要なものを準備して、無駄な労力を省き、最短距離で一番高いベネフィットを得る。そのためにすべきことを言葉にして、自分の頭で1から考えてみること。これは昔からの僕のクセでもあります。

僕は小さいころ、両親が離婚して、兄と二人の生活が続いていました。ご飯を買うためのお金が必要だけど、子どもだから働けない。だから、効率よく近所の人たちからお小遣いをもらうための方法を徹底的に考えました。その結果、みんながいちばんやりたくないことで、よく知らない他人の子どもにも頼みやすいであろうゴミ捨てを選び、1件1カ月500円でおばちゃんと交渉。最終的に150件に増やして75,000円も月にもらえるようになりました。

文・構成=松崎美和子 写真=帆足宗洋

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