ビジネス

2019.05.30

シェフと企業をつなぐ 急伸するケータリング市場に挑むHungryの野望

Photographee.eu / shutterstock.com


Hungryの事業について、エマン・パフレヴァニは「ウーバーが車を持つ人に行っていることを、我々は才能あるシェフに対して行っている」と説明する。「いつ働くか、何を作るかはシェフ自らが決める。彼らには素晴らしい料理を作ることに専念してもらいたい」

兄弟がオフィスケータリングに関心を持ったのは、共同創業したセキュリティ企業「LiveSafe」で従業員用の飲食サービスを探したことがきっかけだという。健康的なメニューを提供する業者を探す中で、彼らは250億ドルのオフィスケータリング市場の存在を知った。

「企業を対象としたケータリングは、今最も急速に成長している飲食ビジネスの一つだ」とHungryチーフ・エグゼクティブのジェフ・グラスは話す。「既存のレストランやケータリングサービスが数多く参入しているが、彼らにとってもオフィスは未知の世界である場合が多い」

ジェイ・Zからの出資は、エマンがジェイ・Zとビヨンセ夫妻のパーソナルシェフであるブランドン・クロウと知り合いだったことから実現した。ちょうどその頃、ジェイ・Zはラリー・マーカスと投資会社「Marcy Venture Partners」を立ち上げたばかりで、マーカスによる綿密なリサーチの末、Hungryは同社初の投資対象となった。

働き方が多様化し、リモートワークを行う人も増えている中、オフィスケータリングの形態も今後は変わるかもしれない。この市場は大きな可能性を秘めているとグラスらは考えている。

2018年初頭、彼らはHungryの年商を100万ドル(約1億1000万円)程度だと予想していたが、蓋を開けてみると800万ドルだった(約8億8000万円)。2019年は1500万ドル(約16億7000万円)から2000万ドル(約22億3000万円)を見込んでいる。また、登録しているシェフの中には、月に2万(約220万円)から3万ドル(330万円)を稼いでいる者もいる。

「ぜひアトランタ以外でも一緒にやってみたい」とJ’s Kitchen Culinary Incubatorのパットンは話す。「このビジネスはグローバルレベルで成功する可能性があると思う」

編集=上田裕資

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