大学生も「予算管理」をすれば、どんなアルバイトをしていいのかが分かる

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予算管理の重要性

1カ月に必要となるコストが分かったら、今度はやりたいことや買いたいものなど、その他にお金がかかることを考えていく。確定しているイベントや想定されるイベントを書き出し、それぞれにいくらかかるか、またはいくらまでなら使っていいかなど、会社でいうところの予算管理をしていく。

会社でもないのに、そこまでするのかと思われるかもしれないが、海外で金融教育を専門にしている人たちの意見を聞いていても、予算管理は非常に重視すべき項目だ。

たとえば2カ月に1回は美容院に行くとする。毎月のコストではないが、2カ月ごとに5000円かかるのであれば、毎月2500円を仮計上して考えればよい。趣味にかかる金額も同様。月に1回は野球観戦に行きたい、3カ月に1回はライブに行きたいなどもあるだろう。それらにかかる金額も分解して考えていく。払い出しは毎月でなく不定期でも、原資は毎月貯めていく必要があるからだ。

ここまでやると、自分が稼がなくてはいけない金額がかなりリアルに把握できるようになる。ここから逆算していけば、自然とどのようなアルバイトをすればいいかも分かってくる。大学生の場合、学業、アルバイト、余暇と、自分の時間を3つに分類できると思うが、ここでアルバイトに費やしたい1カ月間の時間が分かれば、その時間数で自身が1カ月の間に稼ぎたい金額を割れば必要な時給が算出できる。

最後に時給の条件をクリアするアルバイトの中から、家や大学から近いとか、自分が将来就職したい企業と同じ業界とか、そのような条件でさらに絞っていけば、自動的に候補は数件へと絞られていくだろう。

幅広い意味で投資をして欲しい

当然、必要金額を稼ぐだけではなく、ある程度は余裕を持てる金額を稼ぐのがいいのだが、ここでも稼いだ金額の管理が重要となってくる。あくまで社会人向けではあるが、よく言われるのが、収入の6割を生活費、2割を貯蓄、残りの2割を投資にまわすという言葉である。

大学生にはこれを実践すべきとは言いづらいが、必要なコストを差し引いたあとの残額については、もちろん無駄遣いはせずに貯蓄や投資に回して欲しいとは思う。しかし、ここでいう投資は資産運用のような投資だけではなく、広い意味での自己投資の方がニュアンスは強いと筆者は考えている。それも打算的なものではなく、自分が興味を持ったことや、必要だと思ったことにはお金も時間もかけていいと思う。

すぐに目に見える形でリターンが舞い込むかどうかは分からないが、自分の頭で考えて決断し、努力をしたことは必ずいつか何かしらの形で返ってくる。子どもに金融教育をする際は、基本的には数字を使いながらロジカルに腹落ちさせていく必要があるが、それゆえに全て数字で考えるのではなくて、このような長い目で見た発想なども同時に教えていかなければいけない。

連載:0歳からの「お金の話」
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文=森永康平

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