目を輝かせて語るのは、次世代ECコンサルティングサービス「OMNI-CORE(オムニコア )」を運営するPear代表取締役CEOの島井尚輝だ。
もはや生活に欠かせない存在になったEC。便利かつ多様なサービスを展開するアマゾンの覇権は揺るぎないものになりつつあるが、彼が注目するのはそれとは別のトレンドだ。
それは、メルカリやショップ設立支援サービス「BASE」を使った個人による小規模EC。特にBASEでは手作りアクセサリーの販売から、お笑いタレント・ロンドンブーツ1号2号田村淳などの有名人まで、さまざまなショップが展開されている。オムニコアは、そんな個人のショップをメインターゲットにしたサービスだ。
2017年の創業ながら、すでに2度にわたる資金調達を実施しているPear。スタートアップ都市・福岡の中でも注目を集める彼らが目指すものとは──。
BASEが個人ショップの『設立』を支援するなら、Pearでは『運営』を支援する
オムニコアは、サイト訪問数や販売数などのデータ分析を中心に、ECの売り上げを促進するためのコンサルティングツールだ。データに基づき優先度の高いタスクを策定してくれるほか、プロのコンサルタントからアドバイスを受けることができるなど、ECの運営における業務を低コストでオンライン上で依頼することができるサービスを提供している。
近年はあらゆる領域でカスタマーサクセス向上を目的としたSaaSサービスが登場しているが、なぜPearはECに焦点を定めたのか。
「経済産業省の調査によれば2017年の国内ECの市場規模は約16.5兆円。ですが、そのうち売り上げのほとんどを占めているのは上位5%の企業です。ECコンサルのほとんどは上位企業をターゲットにしています。
しかし一方では、近年はBASEやSTORES.jpといったネットショップ開設サービスやCtoCで商売できるメルカリの登場によって、個人が商売を始めるハードルは確実に下がっている。『個人商売のエンパワーメント』がEC業界の大きなトレンドになっているんです。
一方で継続的に売り上げを伸ばすのはまだまだ難しい。BASE代表取締役CEOの鶴岡裕太さんともよくお話ししますが、BASEがショップの立ち上げを簡単にしたのなら、オムニコアでショップ運営の『わからない』をなくして成功事例を生み出していくことのが目標です」